1. 失敗のファン
Ultra 2の購入時にファンがうるさかったときのために交換用ファンも買っていたが、元のファンが十分静かだったためにお蔵入りになっていた。この出番がついに来た、というわけで、それに交換すれば終わりの予定だった。
そのファンはオウルテック扱いの山洋電気製SF9-F1で、静音的には鉄板のものだったが……一応温度を見ているとCPU温度がUltra 2では未踏の80度を超え(RAIDar Protocolによる上限は80度)、冷却力不足が露呈した。さすがに回転数が800RPM固定では無理があったらしい。「こんなこともあろうかと……」が実は保険になってなかったという。
仕方ないので、直径9cmで回転数可変のファンということでENERMAXのPWMのUCTB9Pを買ってきたが、これが完全な外れ。たぶん不良個体だと思うが、軸音が元からひどくて話にならない。初ENERMAXだったのだが、不幸な出会いだった。
2. 元のファン
気を取り直して元のファンを改めてチェックすると、このDeltaのAFB0912HHは日本国内の一般の取り扱いはないらしい。ならばと大体同じ筐体の312のファンを見てみると、同じ型番のものだった。
左がUltra 2のもの、右が312のもので、型番は全く同じ。312本体のコネクタも当然Ultra 2と同じ3ピンのもの。
調べてみると4ベイのモデルも同じファンらしいので、ReadyNASの2ベイと4ベイのシリーズでずっと使っているものっぽい。312のファンもこれまでのところ良好なので、これが手に入れば話は早いのだが、サブタイプが複数あって該当するものが分からないし、送料もそれなりにかかる。
3. Noctuaのファン
他に探すとして、3ピンということは4ピンのPWMと違って電圧で回転数を制御していることになる。SF9-F1で回転数が固定だったのは電圧にかかわらず回転が一定になるようにできているのだと思う。そういう場合を除けば選択肢は広い。
一方、静音的には通常時800RPM程度がターゲットなので、ほとんどが定格で1000RPM台半ばのファンのスペックを見たところで参考にはならず、結局は勘になる。回転数の変わる範囲内で、軸音(直接の風切り音以外の音)が出る回転数があるかは実際に回してみないと分からないし。
ということで、一応回転数可変という点を考慮して、NoctuaのNF-B9 redux(非PWM)を購入。回転数変更用の抵抗など付属品を省いたモデルだが、不要なので。
左下が元のDelta、右下が山洋電気、左上がENERMAX、右上がNoctua。
ファンの羽、コアの支柱ともバラエティに富んでいるが、通常時無音を目指すレベルの静音ではあまり関係なかったりする。
NF-B9の結果は当たりで、通常時は十分静かだし、回転数が上がっても気が付くような軸音は発しない。ファンを探す旅も3つ目で終わった。願わくば、次に交換が必要になったときにも市場に存在していることを。