1. 各部
X61sに接続した状態。キーボード自体は新配列のT400sとほとんど同じ。最近のThinkPadと同じく、横のエッジが立った、平たくすっきりした造形。
新型(右)のフットプリント(314mm×222mm)は旧型(左)とほとんど同じだが、パームレスト部分がすっきりしている分、少し大きめに見える。
裏面も旧型(左)より新型(右)の方がすっきりしている。新型にはUSBハブがない分、USBケーブルの収納スペースが広い。ケーブル長も旧型の1mに対して新型は1.5mと、長くなっている。
新型(上)には旧型(下)のようなスライドパッドはないので、そのクリックボタン部分の張り出しもないが、パームレスト先端が少し薄く長くなっている。上2列はキーが平たく、わずかに高くなっているのが分かる。
旧型(左の下)の凝った脚に対して新型(左の上)の脚はシンプルだが、ラバーコートされている。高さは脚を立てない状態で19mm、立てた状態で37mm。表面仕上げは旧型(右の下)は黒でも少し青みがかっているが、新型(右の上)はThinkPadの筐体と同じつや消し黒。
[追記]
分解されたMacoteauさんによれば(トラックポイントキーボードを分解、トラックポイントキーボードを分解 #2)、本当にT400sのキーボードをUSBに接続できるようにしたものと判明(ベンダーはNMBらしい)。電源ボタンのパターンまであるとは。
分解にはラベルの下の隠しネジを外す必要があるとのこと。
2. 動作
ドライバを入れるとマウスのプロパティにUSB TrackPointとしてタブが現れるので、TrackPointの設定が可能。このドライバはWindows 7にも対応と明記されている。
特殊キーはT400sに合わせてあり、Announcement Letterによれば3桁以前のレガシーなThinkPadでは機能しないとされているものが多い。一方、レガシーなX60s/X61s上のXP SP3(システム制御ドライバーをインストール済み)で試したところ、T400s特有のマイクミュートとFn+F6のVoIPキー
Announcement Letterの記述 | 実際の 動作 | ||
---|---|---|---|
ThinPad Hot Key Function | Key Operation | System Models: All other legacy systems | |
Lock your Computer | Fn+F2 | No | OK |
Manage battery & power | Fn+F3 | No | OK |
Enter sleep (standby) | Fn+F4 | Yes | OK |
Manage wireless settings | Fn+F5 | No | OK |
Change camera & microphone settings | Fn+F6 | No | NO |
Change display settings | Fn+F7 | No | OK |
Change input device settings | Fn+F8 | Yes | OK |
EasyEject Utility | Fn+F9 | No | OK |
Enter hibernation | Fn+F12 | No | OK |
Magnify screen contents | Fn+Space | No | OK |
Increase display brightness | Fn+Home | No | OK |
Decrease display brightness | Fn+End | No | OK |
Launch Lenovo ThinkVantage Productivity Center | Blue button (ThinkVantage) | Yes | OK |
Increase speaker volume | Volume Up key | No | OK |
Decrease speaker volume | Volume Down Key | No | OK |
Speaker Mute | Mute Key | No | OK |
Mircophone Mute | Mute Mic | No | NO |
NumLK on/off | Fn+NumLk | No | |
Page Forward | Page Forward Key | No | OK |
Page Backward | Page Back Key | No | OK |
TrackPoint function | Yes | OK |
ブラウザキー(Page Forward Key、Page Back Key)については別エントリで無効化。
[全体に関する追記]
オンラインマニュアルには以下の記述がある(P15)。
Fnファンクション・キーの組み合わせは、SLシリーズを除くすべてのThinkPadで機能します。Fnファンクション・キーの組み合わせのほとんどは、SLシリーズ、Lenovoデスクトップ・コンピューター、または他の製造メーカーのコンピューターでは機能しません。
ということは、Announcement Letterでは保険をかけていたということか。
[NumLkに関する追記の修正]
NumLkの動作はむしろ正常であることに気づいた。というのも、外部キーボードのNumLkとの関係については、本体のBIOSに設定があるので。「Config」から「Keyboard/Mouse」に入ると「ThinkPad NumLock」という項目がある。
この設定を「Synchronized」にすると、USBキーボードと本体のキーボードのNumLk状態は完全に同期する。この場合、USBキーボードのNumLk状態を示すオンスクリーン表示と、本体のNumLkのインジケータも同期する。
逆に「Independent」にすると(これまではこの設定になっていた)、このヘルプによれば、本体からNumLk入力した後の外部キーボードの状態は以下のようになる。
- 本体がOnになっている状態では、「ThinkPad Numlock can be disabled independently of the Numlock state on an external keyboard.」ということで、本体からNumLk入力しても外部キーボードはOffにならない。
- 本体がOffになっている状態では、「If ThinkPad Numlock is enabled, the external keyboard NumLk will also be enabled.」ということで、本体からNumLk入力すると外部キーボードもOnになる。
入力前の状態 | 本体 | USBキーボード | ||
---|---|---|---|---|
Off | On | Off | On | |
本体からNumLk入力後 | OK (On) | OK (Off) | OK (On) | NO (On) |
USBキーボードからNumLk入力後 | NO (Off) | OK (Off) | OK (On) | OK (Off) |
ただ、本体からのNumLk入力ではUSBキーボードのオンスクリーン表示は出ないので、その状態がわかりにくくはある。
3. 評価
キーボードは個々人の嗜好と、部品の個体差があるので一概に言うのは難しいが、
- キータッチは少し重めのしっかりしたもので、かなり良い。個人的には600のキーボードを彷彿とさせる。旧型とは段違いと言っていい。
- ただし、特に脚を立てた状態では、キーボード自体のわずかなばたつきも感じられる。この原因には、構造的にキーボードが筐体にネジで固定されてないこと、プラスチック筐体の柔さがあると思う。この点ではThinkPadのキーボードには及ばない(この点の出来はThinkPadでも良し悪しがあるが)。
- TrackPointのクリックボタンは軽く、カチカチという音はしない。ただし、キーボードの底面が筐体に当たる音がする。
- すっきりしたデザインと、つや消し黒の質感の高い仕上げで、キー間の隙間が狭いキーボードも相俟って、外観的には文句はない。
個人的にしいて言えば、中を開けてキーボードの底面と下の筐体を両面テープで固定すればばたつきを完全に抑えられると思うが、上半分の固定に爪が使われていて開けにくい+ラベルの下にあるネジを外す必要があるのが難点か。
4. その他
Announcement Letterには寸法について以下の記述がある。
Physical specifications -- Unpackaged
- Approximate weight: 0.97 lb (without palm rest) 440 g
- Approximate height: 312.8 mm (12 in)
- Approximate depth: 19 mm (0.75 in)
- Approximate width: 220 mm (8.67 in)
重量は実測値で446gなので、概ねこのとおりだが、「without palm rest」については、パームレストは脱着式ではないし、パームレストが付いてこの重量なので、謎。
それから「ThinkPad USB Keyboard with TrackPoint」という名称について、ThinkPad用であること(特殊キーは)、USB接続であること、TrackPointがあることは旧型も変わらないので、意味的に旧型と区別できていない。ということを考えると、もっと特別な名前を付けるか、Logicoolの周辺機器のように記号番号を付けた方がいいと思う。
0 コメント :
コメントを投稿