2009/09/13

Intel SSD Toolbox(予定)

12日に行われた「Intel Technology Day in Akiba 2009」におけるIntel天野氏のプレゼンテーションで、IntelのSSDのS.M.A.R.T.について言及があった。AKIBA PC Hotline!に動画と資料の写真がある(「だれにも聞けないSSDの疑問」を「神様」が解説 XP/Vista用のTrimツールも準備中、廉価版の話題も)。

この中のQ6で(動画の11:38から)、SSDの寿命を判断するためのS.M.A.R.T.の項目として以下を挙げている(Q6の資料による。項目名は口頭とは少し違い、Q7の資料とも少し違うので、正式なものか不明)。
  • E1: Host Writesインジケータ(書き込み量の統計)
  • E9: Media Wearインジケータ(ウェアレベリングのレベル)
  • E8: Available Reserved Space(予備領域の残り)
また、Q7では、S.M.A.R.T.の値を見るためのツールとしてWindowsベースの「SSD Toolbox」を開発中であり、Q4に、すなわちWindows 7が出るぐらいまでにリリースしたいとのこと(SSD事業部のスケジュールは遅れがちで信用できないという問題があるらしいが)。

ということで、ようやくというか、意外に早くというか、S.M.A.R.T.の情報が公開されそうである。静かに社内で粛々と準備を進めてきていたわけで、結構なことである。

この「SSD Toolbox」のS.M.A.R.T.項目はこんな感じ(Q7の資料から。RC版らしい)。
IDDescriptionRawValueWorstThreshold
04Start/Stop Count01001000
05Re-allocated Sector Count71001000
09Power-On Hours Count51001000
0CPower Cycle Count51001000
C0Power-off Retract Count31001000
E1LBA's Written47682002000
E8Available Reserved Space0999910
E9Media Wearout Indicator099990
B8End-to-End Data Integrity Error Count010010099
(注)B8は第二世代(G2)から追加されたもの。

以前に酷使したX25-Mは現在以下のとおり。E1、E9、E8は変わってないが、いつの間にか05が1になっている。
CrystalDiskInfo (05:1)

E1の書き込み量と、E8の予備領域はまあ分かるし、しきい値からすれば余裕がありそうだが、E9の「Media Wearout Indicator」は口頭の説明でもよく分からなかった。ついでに05との関係も気になるところ。

その辺を含めて、細かい見方については然るべきときが来れば説明するとのことなので、今後に期待。

ちなみに、プレゼンテーションの最後はSSD事業部の人によるビデオで、
  • SSDを熱い砂漠上でバイク車で轢く
  • SSDを投擲する
  • SSDをジェットエンジンのドラッグカーの噴射で吹き飛ばす
この後でそれぞれSSDをノートに挿して起動してみせるもので、馬鹿馬鹿しくて笑える。

[追記1]

ひよひよさんがCrystalDiskInfoで早速、対応されている(CrystalDiskInfo 3.0.0 RC5)。
CrystalDiskInfo 3.0.0 RC5

和訳は、難しい。

[追記2]

Intel自身がまともな和訳を付けてくれるのが一番なので、以下はIntelへの駄目元のメッセージ。

「Intel日本の方、まともな和訳を付けてくださーい。Matrix Storage Consoleの「生成」なんて恥ずかしい訳にならないようにお願いしまーす!(というか、Matrix Storage Consoleの方も直した方がいいですよ)」

(参考)Intel Matrix Storage Consoleの「生成」問題

SATAの転送モードが現在どうなっているかを示す部分に、日本語では「生成」という単語が出てくるが、何かの用語かと思いきや、英語の「Generation」の誤訳である問題。
  • 150MB/s =「Generation 1」(意味的に近いのは第一世代)→「生成 1」
  • 300MB/s =「Generation 2」(同じく第二世代)→「生成 2」
「Generation」には、辞書的には「代」「世代」という意味の他に「生成」という意味もあるが、それを取り違えたものと思われる。
Intel Matrix Storage Console

この和訳を作成した人の問題もさることながら、それがそのままリリースされ、現在に至るも修正されていないことが(上は2009年9月時点の最新の8.9.0.1023)Intel社内のチェック体制に不安を抱かせるものとなっている。

なお、どうしても気になる場合は、PlugInSATA_JPN.dll中のリソースを書き換えてしまう方法がある。

[追記3]

SATAの転送モードは、Intel Rapid Storage Technology 10.1.0.1008では「1.5 Gb/秒」、「3.0 Gb/秒」といった転送速度で示されるようになった。
Intel Rapid Storage Technology

2 コメント :

ひよひよ さんのコメント...

ご無沙汰しております。
ついに一部ながら S.M.A.R.T. の属性情報が公開されましたね。
これからの展開が楽しみです。

EMO さんのコメント...

どうもです。そちらに書き込みをしようとした矢先にコメントいただいて、びっくり。

これで一応、主要ベンダーのS.M.A.R.T.情報が出揃うわけで、いい感じですね。CrystalDiskInfoのSSD対応も完成に近づくと期待してます。