(NASAのHuman Space Flight Galleryより)
まだISSから分離して大気に落下させるまでプロジェクトとして完了ではないが、ロケットと宇宙機という巨大技術がまだ成熟には遠い中で、初号機でここまで出来たのは良かった。周辺環境や今後のことなど必ずしも容易ではないのだろうが、まずは成功したことは良かった。
宇宙への輸送といえば、少し前に松浦晋也さんの『スペースシャトルの落日』を読んだ。内容にもう少し技術的な詰めが欲しかったが(基本的な材料は提示されている)、メッセージは初めから明快で、「スペースシャトルは宇宙船として巨大な失敗作である。」ということである(P6)。
かつて子供心に、使い捨てロケットの後は宇宙往還機で、そのまま普通に宇宙旅行する時代が来ると直線的な未来を信じて、途中で事故はあっても、それを乗り越えて進んでいくのだと思っていた。それが、そのうちスペースシャトルの退役と使い捨てロケットへの回帰と変わり、腑に落ちないままだった。
しかし、初飛行以来30年近くにわたる実績が、当初の期待(と世界が思わされてきたもの)を大きく下回ることは事実で、細かい技術論は抜きにして、失敗作と扱われても仕方がないと思う。
いや、もっと予算を投入して改良を続けていけば化けたのかもしれないが、NASAの潤沢な予算をもってしての(他の宇宙機関に比べれば)30年近い結果がこれなのだから、どうにもならない。
HTVが成功し、NASAもアレスで使い捨てロケットに回帰すれば、ロシアと欧州、それに民間のSpaceXを含めて宇宙への輸送は使い捨てロケットの時代に戻ることになる。端から見ると時代が巻き戻るようで面白くないが、宇宙往還機が時代より早すぎたとすれば仕方がない。
当分はそうとして、さらに先の未来を想像してみると、
- カプセル型宇宙機が大化けする(垂直に宇宙港に降りてくるような)。
- 人間だけ乗せる小型の往還機をロケットの先端に取り付ける形(HOPEのような)になる。
- 空中発進型の往還機(SpaceShipOneのような)が一気に進む。
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