2009/09/02

1.8インチIDEのIndilinx SSD

PhotoFastのG-Monster 1.8 IDE V3の32GBモデル(PF18Z32GSSDIDEV3)をThinkPad X40に入れてみた。X40にはサムスンのZIFのSSDを入れていたが、SSDといっても最初期のもので、今となっては見劣りがするので。

1. 基板上の構成


プラスチックの外装を開けると、Indilinxのコントローラが現れる。
G-Monster 1.8 IDE V3: PCBG-Monster 1.8 IDE V3: PCB

全体の構成としては、
  • コントローラはIndilinxのIDX110M00-LC(Barefoot)
  • DRAMキャッシュとしてエルピーダのS51321CBH-6DTT-F。容量は512Mbit(=64MB)
  • PATAとSATAのブリッジとしてSunplusITのSATALink SPIF223A-HF022。このチップはPATAとSATAの変換アダプターでもよく使われている。
  • NANDフラッシュとしてサムスンのK9LBG08U0M×8。MLCで、容量は32Gbit(=4GB)×8=32GB。なお、チップ自体を重ねたりはしていない。
上3つは先に出ていた2.5インチIDEのG-Monster IDE V2と同じ。さらに上2つはSATAのG-Monster V3と同じもの。つまり、OCZのVertexをはじめとするIndilinxのSSDにブリッジチップを付けたものと考えてよいはず。ただし、フラッシュチップが8個なので、チャネル数も半分になる。

[参考] G-Monster IDE V2の基板
価格.comクチコミ掲示板: Let'snote R3換装成功

したがって、基本的にIndilinxのSSDとして情報を見ることができる。以下はCrystalDiskInfo(3.0.0 Beta2)とJSMonitor(0.4b)で見たところ。
G-Monster 1.8 IDE V3: CrystalDiskInfoG-Monster 1.8 IDE V3: JSMonitor

ファームウェアのバージョン番号は1571で、SATAのG-Monster V3と同じ。これはIndilinxのSSDに共通するIndilinx製のファームウェアなので、このことからしても、このSSDは普通のIndilinxのSSDをブリッジチップで変換しているだけだと思う。

なお、重量的には実測値で31g、基板だけでは17gになる。

ちなみに、基板の画像はエプソンのGT-X770でスキャンしたもの。スキャナーは簡単かつ非常に鮮明と、基板撮りには良いことづくめだが(裏面は基板の汚れまではっきり分かる)、センサーが斜め方向から見ているのか、凹凸のある部分は少し斜めになっている。なお、キャノンのCISセンサーのものは(薄型のスキャナと複合機にある)、わずかに離れただけでぼけるので基板撮りには使えない。

[参考] CCDセンサーとCISセンサーの違い
日経トレンディネット: スキャナーのCCDとCISの違いは?

2. X40に取り付ける


取り付けはIDEなのでそのまま挿して終わりかと思いきや、コネクタにうまく嵌りにくい。よく見ると、本体側のコネクタに被さる金属板が、微妙にSSDの外装に干渉していた。強引に押し込めば入らないでもないが、後で問題が起きても面倒なので、金属板の角の部分を削り取った。以下は仮組中の状態(赤矢印が削った部分)。
G-Monster 1.8 IDE V3: Trial fitting

その他は寸法的には問題なし。ブラケットにもそのまま収まる(ブラケットなしでも可)。
G-Monster 1.8 IDE V3: With the bracket

電源的にはPhotoFastのサイトではなぜか記載が落ちているが、3.3Vと5Vの両対応。実際にX40本体とウルトラベースの両方でそのまま問題なく動いた。
G-Monster 1.8 IDE V3: Package

認識も問題なし。
G-Monster 1.8 IDE V3: In BIOS settings

3. 性能とWiper


ベンチマーク的にはCrystalDiskMarkとHD Tune Proでは以下のようになる。
G-Monster 1.8 IDE V3: CrystalDiskMarkG-Monster 1.8 IDE V3: HD Tune Pro (File Benchmark)
(注)X40本体に入れた状態で、2GBのNTFSのパーティション(クラスタサイズは4KB)を作成し、ウルトラベースX4からXP SP3を起動して計測。
G-Monster 1.8 IDE V3: HD Tune Pro (Sequential Benchmark and Random Access)
  • CrystalDiskMarkでは、シーケンシャルライトの速度があまり出ていない。ただし、これは他の人の環境では出てたりするので、よく分からない。

    [参考]
    宇宙~いんまいぶれいん~: G-MonsterV3でX40とX41のSSD化を試してみた

  • HD Tune Proでは、シーケンシャルライトもそれなりに出ている。基本的にはきれいな直線。
  • HD Tune Proのランダムアクセスの数字はそれなりに高い。ただし、CrystalDiskMarkでもそうだが、4KBのランダムライトは公称の12MB/sの半分程度に留まる。
シーケンシャルライトは少し面白いところがあって、CrystalDiskMarkを続けるとその部分の速度が落ちてくるが、他のことをしているうちに回復して直線に戻る。以下は落ちた状態と戻る途中。
G-Monster 1.8 IDE V3: HD Tune Pro (Sequential Write Benchmark)

IndilinxのSSDの挙動はファームウェアで色々違うようだが、速度の自動回復のメカニズムは既に入っている模様。

ついでに、Wiper(Beta v3.0, Build Date: 2009-05-25)を実行してみたところ、一応正常に完了する。
G-Monster 1.8 IDE V3: Wiper 2

ただし、何度か試したが、XP SP3が正常に起動しなくなる問題が出た(症状は様々)。よって、そのままでは使えないが、バックアップしておいてレストアすればいいのだろう。それ以前に、自動回復がうまく働いていればその必要もないが。

0 コメント :