2008/05/31

HDDプラッタの本当のサイズ

Western Digitalの10,000RPM HDDの新型、VelociRaptorが出回り始めた。これまでのRaptorよりプラッタを小さくして2.5インチHDDのサイズにしたという点が目新しい。


翻って、これまでのRaptorのプラッタのサイズがどうだったか、ふと気になったので、他のHDDと合わせて調べてみた。
一般的な
区分
(inch)
回転数
(RPM)
プラッタ外径
(注1)
プラッタ面積
(注2)
線速度
(最外周)
(mm/s)
(mm)(inch換算)(mm2)比率
(注3)
Barracuda ES3.57,200953.756,315135,911
WD Raptor10,000843.304,7840.7643,925
Cheetah 15K515,000702.763,0440.4855,002
Travelstar 15GN2.54,200652.552,8820.4614,250
WD VelociRaptor10,000652.552,5840.4133,908
Savvio 15K15,000542.131,6230.2642,526
Travelstar C4K401.84,200481.891,6330.2610,556
(注1)SeagateとWestern Digitalはそれぞれのサイトにある内部写真から計算した。HGSTは手許の実物を計測した。
(注2)外径面積から内径(=中心の抑え金具の外径)面積を差し引いたもの。実際には端の部分は使われないので、データが記録される面積はこれより少なくなる。
(注3)標準的な3.5インチHDDであるBarracuda ESを1としたときの比率。

結果は意外なものだった。
  • 3.5インチHDDのプラッタは実際には3.75インチ、2.5インチHDDのプラッタは実際には2.55インチ、1.8インチHDDのプラッタは実際には1.89インチ程度である。
  • 2.5インチHDDのプラッタ面積は標準的な3.5インチHDDの1/2弱、1.8インチHDDは同じく1/4である。

  • Cheetahのプラッタは2.5インチHDDと同じかと思っていたが、実際にはわずかに大きい。
  • Raptorのプラッタは普通の3.5インチHDDより一回り小さい3.3インチ。
  • VelociRaptorのプラッタ面積はRaptorの1/2強。それでプラッタ当たり容量は2倍だから、記録密度は単純計算で4倍近くになる。
  • Savvio 15Kのプラッタは2.5インチHDDより二回り小さい2.13インチ。かつ、抑え金具が大きいので、プラッタ面積は1.8インチHDDと同程度。
以下は参考までにTravelstar 15GNの内部。

[追記1]

Travelstar 15GNのプラッタ外径を計測し直した(66mmを65mmへ)。

[追記2]

表にプラッタ面積の比率と、最外周の線速度を追加した。線速度は原理的には、HDDの速度とは比例、記録密度とは反比例の関係にあると考えられる。

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