2011/03/19

ReadyNAS的クラウド

これをクラウドというのかよく知らないが、Pogoplugがパーソナルクラウドとして売り出していて、それと基本的に同じ機能なので。要はLAN内のNASに外のインターネットから簡単にアクセスできる機能だが、ReadyNASではReadyNAS Remoteがそれに当たる。

これ自体はDuoでも使えるが、非力なDuoではやる気にならなかった。Ultra 2では初めからAdd-onに入っている。

(このエントリは一続きのエントリの4/5)

5.1. 手順


ReadyNAS Remoteの準備は簡単。ネットワークに関する設定は不要。
  1. クライアントソフトをNetgearからダウンロードして、クライアントPCにインストール。そのまま初回起動時にアカウント登録をする。

  2. FrontviewのサービスからReadyNAS Remoteを有効にする。その管理画面を開き、登録したアカウントのメールアドレスで検索して、出てきたら接続を許可する方に移して保存する。これで準備完了。
接続するときは、
  1. PCの方でReadyNAS Remoteを起動するか、既に起動していればタスクトレイに出るアイコンを右クリックして「Log In」を選ぶと、(ReadyNAS Remoteの管理サーバーに)ログインしたと表示が出る。続けて、自動的に自分のReadyNASのホスト名が出てオンラインになったと表示されれば、接続完了。

  2. 同じように「Connect to ReadyNAS...」を選ぶと、エクスプローラにReadyNAS Remoteのアイコンが出現するので、これを開けば共有フォルダにアクセスできる。後は普通のエクスプローラと同じ。

5.2. 接続経路


速度や安定性を考えると接続経路がどうなっているかが気になるが、
  • 接続したときに表示されるIPアドレスを調べたところ、
    • whoisしてみると、クライアントPC、ReadyNASともにアメリカのアドレスになっていた。
    • tracertなどをしてみると、このアドレスは(見かけ上は)どこかを中継しているわけではなく、それぞれが直接持っている形になっていた。
    • Microsoft Network Monitorで観察すると、クライアントPCとReadyNASの間の通信はこのアドレス間でSMBなどのプロトコルによって行われていた。
    • tracertしてみると、この通信は(見かけ上は)直接行われていた(ホップ数は1)。

  • ReadyNAS Remoteを有効にした状態のReadyNASにログインしてnetstatしたところ、外のIPアドレス(複数)と繋がっていた。

    このアドレスをwhoisしてみると、アメリカの会社になっていた。試しにこのアドレスにブラウザでアクセスすると、繋がったのはReadyNAS Remoteのクライアントソフトから「View Profile」を選んだときと同じページだった。

    ということで、このIPアドレスがReadyNAS Remoteの管理サーバーであることが確定。

  • クライアントPCを持ち出して外のインターネットから接続しているとき、インターネット接続状態が悪くてサーバーとの接続が切れると、ReadyNASとの通信も止まる。
ということから考えるに、ReadyNAS RemoteではクライアントPCとReadyNASを共に管理サーバーに接続させた状態で、それぞれに仮想のIPアドレスを割り当て、その間を管理サーバーが中継しているのではないかと思う。

5.3. 速度


前提として、ReadyNASのある自宅のLAN(eAccessのADSL接続)からSpeedtest.netでアメリカ西海岸のサンノゼと東海岸のボストンとの速度を計ると、こんな感じ。

まあ速くはない。とくに上り側は。

E-Mobile


外でのモバイル用には基本的にE-Mobileを使っているが、アダプターが古いこともあって(D01NX)、基本的に速くはない。

このアダプターでE-Mobileに接続し、ブラウザでウェブを見るぐらいなら何とかという状態で試したところ、ReadyNAS Remoteの管理サーバーとの接続がぷちぷち切れて使い物にならなかった。

違う場所からE-Mobileの接続が比較的安定している状態で、まずE-Mobile自体の速度を計ると、

この状態でReadyNAS Remotoに接続し、エクスプローラでファイルを転送中に「詳細」を開いてスピードを読むと、大体こんなもの。
  • ReadyNAS --> クライアントPC: 100KB/s前後
  • クライアントPC --> ReadyNAS: 40KB/s前後
決して速くはないが、数MBのファイルの出し入れ程度なら、少し待たされるが使えないこともない。ただし、通信がReadyNAS Remoteで占有されてしまうらしく、同時にブラウザでウェブを見たりするのは難しかった。

Freespot


比較のため、公衆無線LANではどうかということで、Freespotの使える店に行ってみた。

そこでの無線LANの速度を計ると、上り側が割と速かった。

この状態で同じくエクスプローラで転送してみると、
  • ReadyNAS --> クライアントPC: 120KB/s前後
  • クライアントPC --> ReadyNAS: 800KB/s前後
ReadyNASからのリードはあまり違わないが、ライトは格段に速い。その分、ストレスなくファイルの出し入れができた。

ということで、ReadyNASからのリードはたぶん自宅のLANの上り速度がボトルネックになっていると思う。一方、ReadyNASへのライトはクライアントPCからの上り速度がボトルネックになっていることが分かる。したがって、この両方の速度がもっと速ければ、ReadyNAS Remoteの速度も上がる可能性が高いと思う。

5.4. まとめ


ReadyNAS Remoteは(インターネット接続環境がよければ)十分使える。Pogoplugにあるような便利機能も、スマートフォン用のクライアントソフトもないが、追加投資なしで使えるNASの機能としては、まあいいかなと。

最後にReadyNASの回復に関することを。

[追記]

ReadyNAS RemoteのAndroid用アプリが出てた(ReadyNAS Remote)。

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