(このエントリは一続きのエントリの2/2)
2.1. 素の状態
ThinkPad X61sのICH8-Mの内蔵ポート(AHCIモード)に3000を繋げた場合、Windows 7では32bit、64bitとも、そのまま普通にGPTディスクにして全容量を使える(ドライバはIntel Rapid Storage Technology 10.1.0.1008)。これは当然。
一方、素のXP SP3では、3000は746.51GiBと認識される(ドライバはIntel Matrix Storage Manager 8.8.0.1009、Intel Rapid Storage Technology 9.6.0.1024とも)。
(注)上に見えているのはOSのあるX25-M 80GB。
つまり、3000の容量は5,860,533,168(セクタ数)×512÷1024^3≒2794.52GiBなので、これから2TiB=2048GiBを差し引いた容量となる。
ここから初期化して(MBRディスクになる)、この中にパーティションを作成して使うことも一応可能。この先頭の速度をCrystalDiskMarkで計ってみたらWindows 7でGPTディスクにしたときの先頭と同程度だったので、HDD内の位置としては先頭にある模様。
ちなみに、ドライバを新しい10.1.0.1008にしてみると、「ディスクの管理」で表示されなくなった。
デバイスマネージャでは表示されるものの、これでは使いようがない。
2.2. Hitachi GPT Disk Manager
さて、3000の箱に入っていたクイックスタートガイドの紙には以下の説明がある。
この「Hitachi Edition GPT Loader」というツールはHGSTのサイトではなく、Paragonのサイトにあるが、名前が違っていて「Hitachi GPT Disk Manager」になっていた。
これをダウンロードして(Ver.1.0の英語版。URL違いで日本語版もある)XPにインストールしてみる。なお、HDDのチェックが入るので、3000が繋がってない状態ではインストールできない。
また、3000が繋がっていてもドライバが10.1.0.1008の状態では以下の表示が出る。
必要ないと言われても使えないのだが。ドライバを戻したらインストールできた。
インストール後は、HDDのGPTへの変換とパーティション作成に移る。
GPT Disk Managerを起動したときの初期画面。
「Convert Hard Disk to GPT」に進み、GPTにするHDDを選択。
どうでもいいことだが、3000の中に2047.9GiBと746.5GiBの空き領域があることになっている。MBRディスクっぽい表示だが、GPTディスクになってなければそう見なすらしい(実際にはセクタ0が空であっても)。
変換が済むと、今度は「Create and Format New Partition」に入る。
パーティションを作成するHDDと、その位置を指定(既存のパーティションがある場合、右下の矢印でどこに入れるかを変更できる)。
次にパーティションのサイズを指定。
フォーマット等も指定して実行すると、2794.5GiBのパーティションができる。
このパーティションはXPの「ディスクの管理」からも確認できる。
この状態で、Windows 7の「ディスクの管理」からも確認できる。
同じくDiskPartでも確認したところ。
この後、XP上のGPT Disk ManagerとWindows 7の「ディスクの管理」で色々とパーティションの作成、削除、縮小(GPT Disk Managerでは新しいパーティションを作成するときに既存のパーティションを縮小できる)/拡大を試してみたが、結果には互換性があった。つまり、GPT Disk ManagerがあればXPでもWindows 7とほぼ同じようにGPTディスクが扱える(とりあえず機能的には)といえる。
ただ、気づいたこともあった。
2.3. Microsoft予約パーティション
3000を空の状態に戻して(先頭を0fill)Windows 7の「ディスクの管理」で見たところ。容量は正しく2794.52GiBと出ている。
これをGPTで初期化すると、こうなる。
GPTディスクにしただけで容量が2794.39GiBに減っている。DiskPartで見てみると、「予約」という128MiBのパーティションができていた。これは「ディスクの管理」からは見えない。
これは何かと調べてみると、GPTディスク特有の「Microsoft予約パーティション」(MSR)というものらしい。
[参考]
Microsoft: WindowsとGPTのよくあるご質問
Microsoft: WindowsとGPTのよくあるご質問
ここで「ディスクの管理」からパーティションを作成すると、こうなる。
DiskPartから見ると、作成したパーティションはMSRの後ろにできている。
XPに戻って「ディスクの管理」で見ると、こうなっていた。
全容量は元のままだが、MSRは見えない。
上で見たとおり、GPT Disk ManagerでGPTにしたときにはMSRは作成されなかった。MSRがあってもなくてもとりあえず問題はないようだったが、MicrosoftはMSRを利用するつもりのようなので、Windows 7でも使う場合はGPTにするのはWindows 7からの方がいいかもしれない。
[追記]
その後、ダウンロードできるGPT Disk ManagerがVer.1.0.1に差し替わっていたので、XP SP3で試していたところ、以下のことに気づいた。
GPT Disk Managerで空のHDDをGPTディスクに変換した後、
- 一旦GPT Disk Managerを終了すると、MSRが作成される。
- 引き続き(GPT Disk Managerを終了させずに)パーティションを作成すると、MSRが作成されない。
2.4. Paragon GPT Disk Manager
ちなみに、ParagonにはParagon GPT Loaderというツールがある。「アーリーアダプタープログラム」に参加してこれを使うことができるが、ダウンロードできるのは「Paragon GPT Disk Manager」だった。インストール後のフォルダを見ると「gpt_loader」というフォルダもあるので、「GPT Loader」=「GPT Disk Manager」なのだろう。
で、この初期画面。
簡単に想像できるとおりで、一通り機能を使ってみたが、「Hitachi GPT Disk Manager」と同じものだった。初めからおよそ分かっていたことだが。