1. ボトルネック
コンシューマでGbEによるメリットが大きいのはNASと言っていいと思うが、NASの速度に関係するのはおよそ以下のもの。
- NAS自体の性能(RAID等の内部処理+GbE)
- NAS内部のストレージの性能
- PC自体のGbEの性能
- PC内部のストレージの性能
そうなると、次にはPC自体のGbE性能(実効速度)がボトルネックになる可能性がある。GbEが出たての頃は、実効速度は規格上の上限に遠く及ばないものだった。そこで、今時のPCではGbEの速度がどれぐらい出るものか確認してみた。
2. 実測
PCは例によってThinkPad X60sとX61sを使用。
- OSはWindows 7 RTMをインストール。ネットワークのパラメータはとくに設定せず(Vista以降はOSが自動調整する)。
- ローカルストレージの速度に影響されないようI-O DataのRamPhantom7でramdiskを作成し、ネットワークで共有させた上で、互いにこれを対象としてCrystalDiskMarkを実行。ramdiskの容量が256MBなので(体験版の上限)、テストサイズは100MBとした。
- なお、ネットワークアダプターにジャンボフレームの設定はない。
ThinkPad X60s | ThinkPad X61s | |
OS | Windows 7 RTM 32bit | Windows 7 RTM 64bit |
ネットワーク アダプター | Intel PRO/1000 PL Network Connection (ICH7-M) | Intel 82566MM Gigabit Network Connection (ICH8-M) |
ドライバー | 9.13.16.0 (Windows Update) | 9.13.4.10 (In-box) |
ramdisk | RamPhantom7 32bit Free | RamPhantom7 64bit Free |
まず、ハブ(BuffaloのLSW-GT-5W)を介して、X60sから計測した場合(左)とX61sから計測した場合(右)。
次に、直結した場合。
結果は、
- シーケンシャルアクセスの最高で110MB/s程度の速度が出ている。計算すると880Mbpsになるので、規格上の上限にかなり近い。
- このハブは2004年購入のものだが、ほとんどボトルネックになっていない。当時から規格上の上限に近い性能があったことを発見。
- ジャンボフレームの設定がなくても、もう速度には関係ないらしい。
3. 結論
既にPC自体のGbE性能が、GbEで実際に望みうるほぼ上限に達していたのは意外だった。つまり、NASを使うためにPC自体のGbE性能を気にする必要はないことになる。
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