1. サイズを計算
まずサイズについて、サイズを決定する大きな要因はLCDである。可能性として、縦横比はワイドとして、11.1インチと12.1インチのどちらかがあり得る。この手掛かりはTrackPointのクリックボタンにある。というのも、このボタン部分のサイズは、本体の外形/キーボードのサイズにかかわらず、同世代のThinkPadでは共通のようなので。X300の場合、3つのキーの全体の横幅は60mmになる(現行の60番台と同じ)。
- X200の写真(800×600ピクセルのもの)を見ると、ボタン部分の横幅はおよそ27ピクセル、この部分の本体の横幅は132ピクセルある。これからボタン部分の横幅を60mmとして計算すると、本体の横幅は293.3mmとなる。
- 一方、LCDの方は、LCD(表示域)の下端の横幅は111ピクセル、この部分のLCDベゼルの横幅は125ピクセルである。本体とLCDベゼルの横幅は同じはずなので、LCDベゼルの横幅を293.3mmとして計算すると、LCDの横幅は260.5mmとなる。
- ここで、11.1インチワイドLCD(表示域)の横幅はVAIO TZの写真から計算すると248mm、12.1インチワイドLCD(表示域)の横幅はTMDの資料によれば261.1mmだから、このどちらかとなると結論は明らかで、X200は12.1インチワイドLCDということになる。
- さらに、TMDの資料によれば12.1インチワイドLCD(表示域)は261.1×163.2mmだから、これから逆に計算するとX200のLCDベゼルの横幅は294mm(ほぼ確実)、同様にLCDベゼルの縦幅を計算すると208mm(やや誤差の可能性あり)ということになる。つまり、X200のフットプリントは294×208mmとなる。
一目瞭然だが、横幅が3cm近く大きくなった一方で、縦幅はほとんど変わらない。LCDの縦幅が小さくなった分、全体の縦幅も小さくなってよさそうなものだが、LCDベゼルの上の枠が太くなったことで相殺されている。横幅も、LCDの横幅が大きくなったことに加え、左右の枠が太くなったことでも大きくなっている。
2. LCDベゼルの理由
ここで問題は、LCDベゼルの枠が太くなった理由。
- 上の枠には、X300と同様にカメラとアンテナが仕込んであるので、太くなる理由はある。
- 下の枠は、突起部が低くなっているので、LCDはX300と同様のLEDバックライトと思われる。X300のLCDは、薄型化のために駆動基盤がLCDの裏ではなくLCDの下に面一につながる形になっているので、同じ形であれば、ある程度幅が必要になる。駆動基板の上にインジケータ基板が重なる形になっているのではないか(故に突起部は完全にはなくならない)。
- 左右の枠は、TMDの資料(世界最薄・最軽量を実現したノートPC用12.1型ワイド低温ポリシリコンLCDの量産を開始)によれば、12.1インチワイドでLEDバックライトのLCDモジュールの横幅は270.5mmなので、ここまで太くなる理由はない。
上の図では、X300のマザーボード(SSDとCPUファンを含む。X300の写真から計算すると173×150mm)を青破線で、X300のバッテリー(255.5×72mm)を黄破線で重ねてみた。X200ではさすがに光学ドライブは積まないと思うが、その前提であれば、形状は違うとして、面積的には比較的余裕があることが分かる。したがって、横幅が大きくなる必然性は見えてこない。
ここで気になるのは、LCDベゼルの左右の枠には全体にテーパーが付いているが、左の上の部分だけはテーパーがないこと。この点はX6xも同じで、X6xではパームレストの左側にPCカードスロットがあるため。ということは、X200にはPCカード(Expressカード)スロットがあるのかもしれない。
その場合、パームレストの下を丸々バッテリーに当てることはできなくなるが、それを差し引いてもまだ余裕はあるように思う。その余裕を何に振り向けているのかが問題。X300の薄さが明らかになったとき、シリンドリカルセルが使えなくなっていたので、設計陣はバッテリー容量を重視していないのかと思ったが、意外にX200のバッテリー容量は大きいのかもしれない。
いつかLenovoの人に聞く機会があれば(ないと思うが)、その辺の理由を聞きたいところだが。
[参考]
Small-Laptops.com: Lenovo ThinkPad X200
Small-Laptops.com: Lenovo ThinkPad X200