2009/11/18

宇宙PC更新

ISSではThinkPad A31pが多数使用されていて、まだ普通に現役だが、T61pに更新されるという話が4月にあり(宇宙でNo.1のノートPCコメント)、既にISSに搬入されたという話が10月に出ていたが(Lenovo ThinkPad 国際宇宙ステーションに到着)、その姿を実際に見ることができずにいた。

そのT61pがついにISS内の写真に出てきた。
(NASAのHuman Space Flight Galleryより)

この写真はESAのDe Winne宇宙飛行士が、『きぼう』の中で空気中の微生物のサンプルをとっているところ。A31pに混じってT61pが1台あるのが見える(奥の丸いハッチの左)。

まあThinkPadが特別どうということは措くとして、地上で普通に使われているものが宇宙でも普通に使われている(多少の改造はあるにしても)、という点が個人的には面白い。

2009/11/06

Enhanced Experience 私的FAQ

LenovoがWindows 7のリリースに合わせてEnhanced Experience(以下EE)というキャンペーンを張っているが、結構分かりにくいので私的にFAQを作ってみた。なお、あくまで勝手にまとめたものなので、そのつもりで。

1. 前提

EEについては、Inside the Boxのエントリ(Windows 7 Enhanced Experience Launch)とlenovo communityの特設ボード(Windows 7 Launch)で詳しく説明されているので、基本的にそれに従う。この中でInside the BoxのMatt KohutとEE開発担当のJohn Meseが対談形式でEEを説明している。

ちなみに、Matt Kohutは日本に来たときにメディアにも出ている。


なお、日本のメディアでもEEについて記事は出てはいるが、それほど深くはない。


2. FAQ

Q1 Enhanced Experience(以下EE)とは何か。

A1 Windows 7がインストールされたThinkPad等のLenovo製PCで、OSの起動/終了/スリープ/復帰を高速化させる仕組みの総称。Windows 7自体が高速化しているが、EEではそれ以上に速くなっているのが売り(のはず)。

Q2 過去に販売されたものも含めてThinkPadにWindows 7をインストールすれば、EEのメリットが等しく受けられるのか。

A2 等しくはない。その機種の世代、販売時期によって受けられるメリットは違う。以下は機種によるWindows 7への対応とEEの関係を示したもの。
(Inside the Box: Windows 7 Enhanced Experience Launchより)

この表のように、Windows 7への対応には6つの要素がある。
  1. Windows 7用のドライバー
  2. EE対応のWindows 7用のドライバー
  3. EE対応のWindows 7用のTVT(ThinkVantage Technology)ユーティリティ(省電力マネージャ等)
  4. EE対応のBIOS
  5. EE対応のサードパーティソフト
  6. EE対応のWindows 7の最適化(tweaks and OS optimizations)
まず1.のWindows 7の動作に必要なドライバーについては、60番台以降の世代であれば提供される。60番台より前の世代にはWindows 7用のドライバーは提供されないが(既にドライバーの更新は終了している)、Windows 7が動作しないわけではない。


2.のEE対応のドライバーと4.のEE対応のBIOSについては、現行の3桁世代(Montevinaプラットフォーム)には提供されるが、60番台の旧世代には提供されない。なお、X300だけは内部的に61番と同じなので(SantaRosaプラットフォーム)、残念でした。

3.のEE対応のTVTユーティリティについては、(現行世代と共通なので)60番台もメリットを受ける。

5.のEE対応のサードパーティソフト(Crapware)は、誰も気にしてないと思うので、省略(以下同じ)。

6.のEE対応のWindows 7の最適化については、現行世代で、かつWindows 7のプリロード(プリインストール)機のみに提供される。

まとめると、
  • フルセットのEEが提供されるのはWindows 7のプリロード機を購入した場合だけ。
  • Window 7がプリロードでない現行世代には、EE対応のBIOSとWindows 7用のドライバー、TVTユーティリティが提供されるが、EE対応のWindows 7の最適化は提供されない。
  • 60番台の旧世代には、Windows 7用のドライバーとTVTユーティリティが提供されるが、EE対応なのはTVTユーティリティだけ。
Q3 優待アップグレード(free upgrade)で提供されるWindows 7は、Windows 7のプリロード機とは内容が違うのか。

A3 違う。優待アップグレードで提供されるのはWindows 7のインストールDVDとドライバー等の入ったコンパニオンDVDであって、プリロード機にあるWindows 7の最適化は含まれない。Windows 7の最適化はプリロードイメージの形でのみ提供される。

この点に関するビデオ。


ここでJohn Meseは現行世代に後からインストールしたWindows 7は、Windows 7のプリロード機とほとんど(mostly)同じだと言っているが、逆に言えば、このほとんどに入らないのがWindows 7の最適化ということになる。

[参考] 優待アップグレードキットの内容
せうの日記: Windows 7 優待アップグレードキットが届く。

Q4 なぜ優待アップグレードとしてWindows 7のインストールDVDではなく、プリロードイメージの入ったリカバリーDVDを提供しないのか。

A4 Microsoftとの契約上、Windows 7のリカバリーDVDはWindows 7のプリロード機にしか提供できないから。以下はlenovo communityでのMatt Kohutの説明。
Re: Bought with Vista, Free Upgrade to Windows 7 [ Edited ] 10-22-2009 02:39 PM - last edited on 10-22-2009 02:40 PM
(中略)
Microsoft's regulations state that we can only ship a Windows recovery CD set equal to the COA on the bottom of the system (with the exception of those machines during the free upgrade program time period). If your system has a Vista COA, we are prohibited from sending you a Win 7 recovery CD set.

Even if we were enabled to sell these recovery CDs, our contract with Microsoft would forbid it.

Q5 なぜ旧世代にもEE対応のBIOSとドライバーを提供しないのか。

A5 既に販売終了した旧製品向けにそこまでする会社はない。と、非常に直截的にMatt KohutがInside the Boxのコメントで答えている。
Matt Kohut Says: October 22nd, 2009 at 3:00 pm
While I understand the general disappointment, remember that we’re in the business to sell new systems and new hardware. Our policy is not unlike any other hardware manufacturer.

I can think of plenty of printer, scanner, and other peripheral companies that won’t give their best and brightest upgrades to their old equipment. Why should they? It just puts customers buying off for yet another year or two. That is lost revenue that is never recaptured.

Even Apple charged for a service pack upgrade. If it were possible to create a program that would “EE” an existing system that couldn’t be decompiled by our competitors, I guess we might sell it. But such a thing doesn’t exist.

Flame me if you want, but we’re not in the charity business here.

少しずれるが、lenovo communityで旧世代向けのWindows 7のプリロードイメージを求める声にはこう答えている。
Re: Strong Need: Windows 7 Discs for Vista ThinkPads 2007-2009 (Recovery & Install Discs) [ Edited ] 10-24-2009 06:31 AM - last edited on 10-24-2009 06:31 AM
(中略)
I don't think we even made a preload for T61 and older systems. It's one thing to provide drivers. It's another thing to go through and create a full blown preload which costs in time and money to do all of the testing necessary. It wouldn't make sense to make a preload for a system we no longer sell.

個人的には、まあそんなものだろうな、という以上の感想はない。

Q6 EEの結果、Windows 7はどれぐらい高速化されるのか。

A6 秋葉原カフェソラーレでのタッチ&トライ、大和事業所でのメディア向け説明会の起動デモでは(いずれもT400sのSSD搭載機)、起動時間は以下のとおり。


BIOSの
起動ロゴが
消えるまで
Starting
Windowsが
出るまで
デスクトップが
出るまで
EE非EEEE非EEEE非EE短縮率
Akiba PC Hotline(タッチ&トライ)67919253528.6%
PC Watch(大和事業所)791123294434.1%
週アスPLUS(大和事業所)791013294738.3%
CNET Japan(大和事業所)

1427324427.3%
(注)タッチ&トライはマイコミジャーナルにも動画があるが、非EEの方がよく見えないので割愛。大和事業所はメディアによって差があるが、デモのときによって違う模様。CNET Japanは起動ロゴが消えるときが写ってない。

なお、大和事業所ではCPUの負荷が落ち着くまでがOSの起動と説明している。

Q7 EEによる高速化をユーザーが検証できるか。

A7(普通は)できない。

現行世代の場合、Windows 7で動作するドライバーは以下があり得るが、
  1. 個々のデバイスメーカーが提供する(全てあるとは限らない)汎用ドライバー
  2. Windows 7が自動判別するIn-boxかWindows Updateのドライバー
  3. Lenovoが提供するWindows 7用のドライバー
  4. Lenovoが提供するWindows 7用で、かつEE対応のドライバー
Windows 7で正常動作することがLenovoによって検証されているのは3.と4.のドライバーで、これらの場合を比べればEEによる高速化を判別できるはずだが、3.はユーザーに提供されてないので(4.がある以上、無駄だから当然)、比べようがない。1.か2.のような正常動作することが検証されてないドライバーを使う手もあるが、それが比較として適当なのか分からない。

その意味では、EEでない方のデモ機がどういうドライバーなのかは興味があるところ。

Q8 EE対応のBIOSは、どれぐらい高速化に貢献しているのか。

A8 機種によって違うが、2-3秒。BIOSのPOSTにかかる時間は、EE前は10秒台で、EE後は平均8秒とのこと。lenovo communityで質問したらJohn Meseが答えてくれた。
Re: Lenovo Enhanced Experience - Extensible Firmware Interface (Part 1) 11-05-2009 11:36 AM
(中略)
The 1.5s BIOS Post time is only on the special "concept car" T400s. It is a heavily tweaked BIOS just to demonstrate the advancements in the technology. I can not confirm when we will release UEFI systems (thus the "in the future" comment) but know that we are working on it now and it is in the upcoming product roadmap. Let me be clear, though, that Calpella platform systems will launch with a legacy BIOS implementation. You can expect, however, EE work from the Montevina Win7 launch systems will carry forward into the Calpella products.

The real speed gain of EE BIOS depends on the system. On average we took our BIOS Post times down from "in the teens" to about 8s (measured from the start of EE work to the release). The biggest single fix we made as part of our EE work however, was about a 2-3s improvement as you indicated. Very good estimate!

これは以下のビデオを踏まえたもの。技術デモンストレーション用のプロトタイプで1.5秒で起動するBIOSの話が出てくる。上の答えによれば、まだ開発中で、次のCalpellaプラットフォームには間に合わないが。


Q9 Windows 7のプリロード機のみに含まれるWindows 7の最適化の効果はどのぐらいか。

A9 正確には不明。ただ、A3に挙げたビデオではこの最適化の有無に関わらず、ほとんど(mostly)同じだと言っている。その他にも、Lenovoの人はたいして差はないという説明をしているようである。


Q10 Windows 7のプリロード機を購入したとして、それに含まれるWindows 7の最適化の効果はドライバー等をアップデートすると消えてしまわないのか。

A10 今後開発されるドライバー等は同じEEの過程を通るので、そういうことはないとのこと。lenovo communityで質問したらAdminのMark Hopkinsが答えてくれた。
Re: Bought with Vista, Free Upgrade to Windows 7 10-27-2009 11:06 AM
(中略)
The intent would be that all updates for Windows 7 preloaded systems would go through the same EE process such that future updates should not degrade the original experience.

ただ、個人的には、サービスパックなど大きなOSの変化があれば多少の最適化はご破算にされないかという疑問はある。

Q11 EE対応の現行世代は、旧世代より起動が速いのか。

A11 OSの起動時間は、機種/インストールしているソフト/接続しているデバイス/ネットワーク設定等でかなり変わってくるので、一概には言えない。ただ、自分のX61sにWindows 7 64bitをインストールした状態では、以下のとおり。

(注)CPUはCore2Duo L7700、メモリは4GB、ストレージはX25-M。ドライバー等は基本的に事前に確認したとおり。ただし、プロダクティビティセンターとWindows 7用のToolboxは未インストール。WLANはIn-boxドライバーの状態。

起動時間はBIOSに6秒、デスクトップが現れるまでに31秒といったところ。起動デモに使われていたT400s(SSD搭載機)に対し、機種/インストールしているソフトが違うので直接の比較はできないが、そんなに遜色はない。

なお、自分がタッチ&トライで触ったT400s、X200sはいずれもHDD搭載機で、起動に50秒前後かかっていた。当然ではあるが、EEの有無よりHDDとSSDの違いの方がはるかに大きい。

3. その他

Lenovoは7-8日に池袋でもタッチ&トライを行うので、近ければ直接確認に行ってもいいかもしれない。ちなみに、自分は秋葉原でのときに巻き取り式LANケーブルをいただいた。

2009/11/01

CrystalDiskInfoとIntel SSD

Intel SSD Toolboxと共に、ついに公開されたS.M.A.R.T.情報を受けて、CrystalDiskInfoがIntel SSDのS.M.A.R.T.に正式対応した(CrystalDiskInfo 3.1.0)。健康状態も表示されるようになっている。
CrystalDiskInfo 3.1 on X25-M G1

この健康状態はE8(Available Reserved Space)に対応したもの。Intel SSD ToolboxのUser GuideではE8は以下のようになっている。
3.4.2.8 E8 – Available Reserved Space

This attribute reports the number of reserve blocks remaining. The attribute value begins at 100 (64h), which indicates that the reserved space is 100 percent available. The threshold value for this attribute is 10 percent availability, which indicates that the drive is close to its end of life. Use the Normalized value for this attribute.

thresholdとされている10%まではまだ遠い。

E2、E3、E4が新たに表示されるようになったが、これらの意味は不明。ちなみに、03(Spin Up Time)と04(Start/Stop Count)は常に0なので、とくに意味はない。

各項目の名前は、英語表示はIntel SSD Toolboxに従ったもので、日本語表示はこれから和訳している。
CrystalDiskInfo 3.1 on X25-M G1

また、テキストコピーしたログにはそのHDD/SSDが対応しているQueue Depthが入るようになっている。CrystalDiskMark(開発中の3.0)で複数のQueue Depthを取り入れたことに対応したものか。
Queue Depth : 31

この数字は、少なくとも最近のHDDでは32なのがお約束なので、このSSDの31というのは少し不思議ではある。