Rose Glitterという会社による「Folding Binder」を購入。一言で言えば、A4の紙を挟んだまま三つ折りにできるクリップボード。人によって要不要は分かれるが、PCで作成した文書をプリントアウトして、文章をチェックしたり内容をさらに考えたりする際に、気分を変えてコーヒーショップに持ち出したりして使うのに便利そうなもの。
ステッチは赤を選択。革装のせいか値段は相応に張るが、このアイデアを商品化したことを評価して購入。
折り畳んだ状態。コピー用紙7枚を挟んでいるが、20枚ぐらいは余裕でそのまま畳み込めると思う。なお、これはストラップに2つあるボタンのうち先端の方を使った状態で、根本の方を使えばもっときっちり締まる。
寸法は、折り畳んだ状態で幅222mm×奥行120mm×高さ26mm前後になる。SonyのVAIO Pが幅245mm×奥行120mm×高さ20mmなので、かなり近い。重量は体積の割にやや重めの230g。
普通のクリップボード(幅220mm×奥行310mm)と比べると、奥行が4割弱で済む。
文庫本(幅150mm×奥行110mm)と比べると、幅が5割長い程度。
個人的には文具に高級感は求めてないので、革装というのはオーバースペック。この形式のバインダーというかクリップボードが他の文具メーカーにも広まることを期待。
2009/12/27
2009/11/18
宇宙PC更新
ISSではThinkPad A31pが多数使用されていて、まだ普通に現役だが、T61pに更新されるという話が4月にあり(宇宙でNo.1のノートPCのコメント)、既にISSに搬入されたという話が10月に出ていたが(Lenovo ThinkPad 国際宇宙ステーションに到着)、その姿を実際に見ることができずにいた。
そのT61pがついにISS内の写真に出てきた。
この写真はESAのDe Winne宇宙飛行士が、『きぼう』の中で空気中の微生物のサンプルをとっているところ。A31pに混じってT61pが1台あるのが見える(奥の丸いハッチの左)。
まあThinkPadが特別どうということは措くとして、地上で普通に使われているものが宇宙でも普通に使われている(多少の改造はあるにしても)、という点が個人的には面白い。
そのT61pがついにISS内の写真に出てきた。
(NASAのHuman Space Flight Galleryより)
この写真はESAのDe Winne宇宙飛行士が、『きぼう』の中で空気中の微生物のサンプルをとっているところ。A31pに混じってT61pが1台あるのが見える(奥の丸いハッチの左)。
まあThinkPadが特別どうということは措くとして、地上で普通に使われているものが宇宙でも普通に使われている(多少の改造はあるにしても)、という点が個人的には面白い。
[参考]
JAXA: 宇宙ではどんなラップトップコンピュータを使っているのですか
JAXA: 宇宙ではどんなラップトップコンピュータを使っているのですか
2009/11/06
Enhanced Experience 私的FAQ
LenovoがWindows 7のリリースに合わせてEnhanced Experience(以下EE)というキャンペーンを張っているが、結構分かりにくいので私的にFAQを作ってみた。なお、あくまで勝手にまとめたものなので、そのつもりで。
EEについては、Inside the Boxのエントリ(Windows 7 Enhanced Experience Launch)とlenovo communityの特設ボード(Windows 7 Launch)で詳しく説明されているので、基本的にそれに従う。この中でInside the BoxのMatt KohutとEE開発担当のJohn Meseが対談形式でEEを説明している。
ちなみに、Matt Kohutは日本に来たときにメディアにも出ている。
なお、日本のメディアでもEEについて記事は出てはいるが、それほど深くはない。
Q1 Enhanced Experience(以下EE)とは何か。
A1 Windows 7がインストールされたThinkPad等のLenovo製PCで、OSの起動/終了/スリープ/復帰を高速化させる仕組みの総称。Windows 7自体が高速化しているが、EEではそれ以上に速くなっているのが売り(のはず)。
Q2 過去に販売されたものも含めてThinkPadにWindows 7をインストールすれば、EEのメリットが等しく受けられるのか。
A2 等しくはない。その機種の世代、販売時期によって受けられるメリットは違う。以下は機種によるWindows 7への対応とEEの関係を示したもの。
この表のように、Windows 7への対応には6つの要素がある。
2.のEE対応のドライバーと4.のEE対応のBIOSについては、現行の3桁世代(Montevinaプラットフォーム)には提供されるが、60番台の旧世代には提供されない。なお、X300だけは内部的に61番と同じなので(SantaRosaプラットフォーム)、残念でした。
3.のEE対応のTVTユーティリティについては、(現行世代と共通なので)60番台もメリットを受ける。
5.のEE対応のサードパーティソフト(Crapware)は、誰も気にしてないと思うので、省略(以下同じ)。
6.のEE対応のWindows 7の最適化については、現行世代で、かつWindows 7のプリロード(プリインストール)機のみに提供される。
まとめると、
A3 違う。優待アップグレードで提供されるのはWindows 7のインストールDVDとドライバー等の入ったコンパニオンDVDであって、プリロード機にあるWindows 7の最適化は含まれない。Windows 7の最適化はプリロードイメージの形でのみ提供される。
この点に関するビデオ。
ここでJohn Meseは現行世代に後からインストールしたWindows 7は、Windows 7のプリロード機とほとんど(mostly)同じだと言っているが、逆に言えば、このほとんどに入らないのがWindows 7の最適化ということになる。
Q4 なぜ優待アップグレードとしてWindows 7のインストールDVDではなく、プリロードイメージの入ったリカバリーDVDを提供しないのか。
A4 Microsoftとの契約上、Windows 7のリカバリーDVDはWindows 7のプリロード機にしか提供できないから。以下はlenovo communityでのMatt Kohutの説明。
Q5 なぜ旧世代にもEE対応のBIOSとドライバーを提供しないのか。
A5 既に販売終了した旧製品向けにそこまでする会社はない。と、非常に直截的にMatt KohutがInside the Boxのコメントで答えている。
少しずれるが、lenovo communityで旧世代向けのWindows 7のプリロードイメージを求める声にはこう答えている。
個人的には、まあそんなものだろうな、という以上の感想はない。
Q6 EEの結果、Windows 7はどれぐらい高速化されるのか。
A6 秋葉原カフェソラーレでのタッチ&トライ、大和事業所でのメディア向け説明会の起動デモでは(いずれもT400sのSSD搭載機)、起動時間は以下のとおり。
なお、大和事業所ではCPUの負荷が落ち着くまでがOSの起動と説明している。
Q7 EEによる高速化をユーザーが検証できるか。
A7(普通は)できない。
現行世代の場合、Windows 7で動作するドライバーは以下があり得るが、
その意味では、EEでない方のデモ機がどういうドライバーなのかは興味があるところ。
Q8 EE対応のBIOSは、どれぐらい高速化に貢献しているのか。
A8 機種によって違うが、2-3秒。BIOSのPOSTにかかる時間は、EE前は10秒台で、EE後は平均8秒とのこと。lenovo communityで質問したらJohn Meseが答えてくれた。
これは以下のビデオを踏まえたもの。技術デモンストレーション用のプロトタイプで1.5秒で起動するBIOSの話が出てくる。上の答えによれば、まだ開発中で、次のCalpellaプラットフォームには間に合わないが。
Q9 Windows 7のプリロード機のみに含まれるWindows 7の最適化の効果はどのぐらいか。
A9 正確には不明。ただ、A3に挙げたビデオではこの最適化の有無に関わらず、ほとんど(mostly)同じだと言っている。その他にも、Lenovoの人はたいして差はないという説明をしているようである。
Q10 Windows 7のプリロード機を購入したとして、それに含まれるWindows 7の最適化の効果はドライバー等をアップデートすると消えてしまわないのか。
A10 今後開発されるドライバー等は同じEEの過程を通るので、そういうことはないとのこと。lenovo communityで質問したらAdminのMark Hopkinsが答えてくれた。
ただ、個人的には、サービスパックなど大きなOSの変化があれば多少の最適化はご破算にされないかという疑問はある。
Q11 EE対応の現行世代は、旧世代より起動が速いのか。
A11 OSの起動時間は、機種/インストールしているソフト/接続しているデバイス/ネットワーク設定等でかなり変わってくるので、一概には言えない。ただ、自分のX61sにWindows 7 64bitをインストールした状態では、以下のとおり。
起動時間はBIOSに6秒、デスクトップが現れるまでに31秒といったところ。起動デモに使われていたT400s(SSD搭載機)に対し、機種/インストールしているソフトが違うので直接の比較はできないが、そんなに遜色はない。
なお、自分がタッチ&トライで触ったT400s、X200sはいずれもHDD搭載機で、起動に50秒前後かかっていた。当然ではあるが、EEの有無よりHDDとSSDの違いの方がはるかに大きい。
Lenovoは7-8日に池袋でもタッチ&トライを行うので、近ければ直接確認に行ってもいいかもしれない。ちなみに、自分は秋葉原でのときに巻き取り式LANケーブルをいただいた。
1. 前提
EEについては、Inside the Boxのエントリ(Windows 7 Enhanced Experience Launch)とlenovo communityの特設ボード(Windows 7 Launch)で詳しく説明されているので、基本的にそれに従う。この中でInside the BoxのMatt KohutとEE開発担当のJohn Meseが対談形式でEEを説明している。
ちなみに、Matt Kohutは日本に来たときにメディアにも出ている。
なお、日本のメディアでもEEについて記事は出てはいるが、それほど深くはない。
[参考]
AKIBA PC Hotline!: レノボがリナカフェでイベント、独自のWin 7高速化技術をアピール 声優イベントも計画中?
マイコミジャーナル: レノボが秋葉原で独自機能「Enhanced Experience」をアピール
PC Watch: Windows 7を搭載したレノボ「ThinkPad」が速い理由 ~大和事業所の開発者が説明
ITmedia +D PC USER: 大和の幹部が解説する「ThinkPadでWindows 7の起動が“もっと”早くなる」理由
週アスPLUS: レノボのウィンドウズ7PC高速化技術に動画で迫る!
CNET Japan: ThinkPadの起動時間を短縮--レノボの「Windows 7 Lenovo Enhanced Experience」とは
AKIBA PC Hotline!: レノボがリナカフェでイベント、独自のWin 7高速化技術をアピール 声優イベントも計画中?
マイコミジャーナル: レノボが秋葉原で独自機能「Enhanced Experience」をアピール
PC Watch: Windows 7を搭載したレノボ「ThinkPad」が速い理由 ~大和事業所の開発者が説明
ITmedia +D PC USER: 大和の幹部が解説する「ThinkPadでWindows 7の起動が“もっと”早くなる」理由
週アスPLUS: レノボのウィンドウズ7PC高速化技術に動画で迫る!
CNET Japan: ThinkPadの起動時間を短縮--レノボの「Windows 7 Lenovo Enhanced Experience」とは
2. FAQ
Q1 Enhanced Experience(以下EE)とは何か。
A1 Windows 7がインストールされたThinkPad等のLenovo製PCで、OSの起動/終了/スリープ/復帰を高速化させる仕組みの総称。Windows 7自体が高速化しているが、EEではそれ以上に速くなっているのが売り(のはず)。
Q2 過去に販売されたものも含めてThinkPadにWindows 7をインストールすれば、EEのメリットが等しく受けられるのか。
A2 等しくはない。その機種の世代、販売時期によって受けられるメリットは違う。以下は機種によるWindows 7への対応とEEの関係を示したもの。
(Inside the Box: Windows 7 Enhanced Experience Launchより)
この表のように、Windows 7への対応には6つの要素がある。
- Windows 7用のドライバー
- EE対応のWindows 7用のドライバー
- EE対応のWindows 7用のTVT(ThinkVantage Technology)ユーティリティ(省電力マネージャ等)
- EE対応のBIOS
- EE対応のサードパーティソフト
- EE対応のWindows 7の最適化(tweaks and OS optimizations)
[参考]
Lenovo: Windows 7 アップグレード対応機種の一覧
Lenovo: Windows 7 アップグレード対応機種の一覧
2.のEE対応のドライバーと4.のEE対応のBIOSについては、現行の3桁世代(Montevinaプラットフォーム)には提供されるが、60番台の旧世代には提供されない。なお、X300だけは内部的に61番と同じなので(SantaRosaプラットフォーム)、残念でした。
3.のEE対応のTVTユーティリティについては、(現行世代と共通なので)60番台もメリットを受ける。
5.のEE対応のサードパーティソフト(Crapware)は、誰も気にしてないと思うので、省略(以下同じ)。
6.のEE対応のWindows 7の最適化については、現行世代で、かつWindows 7のプリロード(プリインストール)機のみに提供される。
まとめると、
- フルセットのEEが提供されるのはWindows 7のプリロード機を購入した場合だけ。
- Window 7がプリロードでない現行世代には、EE対応のBIOSとWindows 7用のドライバー、TVTユーティリティが提供されるが、EE対応のWindows 7の最適化は提供されない。
- 60番台の旧世代には、Windows 7用のドライバーとTVTユーティリティが提供されるが、EE対応なのはTVTユーティリティだけ。
A3 違う。優待アップグレードで提供されるのはWindows 7のインストールDVDとドライバー等の入ったコンパニオンDVDであって、プリロード機にあるWindows 7の最適化は含まれない。Windows 7の最適化はプリロードイメージの形でのみ提供される。
この点に関するビデオ。
ここでJohn Meseは現行世代に後からインストールしたWindows 7は、Windows 7のプリロード機とほとんど(mostly)同じだと言っているが、逆に言えば、このほとんどに入らないのがWindows 7の最適化ということになる。
[参考] 優待アップグレードキットの内容
せうの日記: Windows 7 優待アップグレードキットが届く。
せうの日記: Windows 7 優待アップグレードキットが届く。
Q4 なぜ優待アップグレードとしてWindows 7のインストールDVDではなく、プリロードイメージの入ったリカバリーDVDを提供しないのか。
A4 Microsoftとの契約上、Windows 7のリカバリーDVDはWindows 7のプリロード機にしか提供できないから。以下はlenovo communityでのMatt Kohutの説明。
Re: Bought with Vista, Free Upgrade to Windows 7 [ Edited ] 10-22-2009 02:39 PM - last edited on 10-22-2009 02:40 PM
(中略)
Microsoft's regulations state that we can only ship a Windows recovery CD set equal to the COA on the bottom of the system (with the exception of those machines during the free upgrade program time period). If your system has a Vista COA, we are prohibited from sending you a Win 7 recovery CD set.
Even if we were enabled to sell these recovery CDs, our contract with Microsoft would forbid it.
Q5 なぜ旧世代にもEE対応のBIOSとドライバーを提供しないのか。
A5 既に販売終了した旧製品向けにそこまでする会社はない。と、非常に直截的にMatt KohutがInside the Boxのコメントで答えている。
Matt Kohut Says: October 22nd, 2009 at 3:00 pm
While I understand the general disappointment, remember that we’re in the business to sell new systems and new hardware. Our policy is not unlike any other hardware manufacturer.
I can think of plenty of printer, scanner, and other peripheral companies that won’t give their best and brightest upgrades to their old equipment. Why should they? It just puts customers buying off for yet another year or two. That is lost revenue that is never recaptured.
Even Apple charged for a service pack upgrade. If it were possible to create a program that would “EE” an existing system that couldn’t be decompiled by our competitors, I guess we might sell it. But such a thing doesn’t exist.
Flame me if you want, but we’re not in the charity business here.
少しずれるが、lenovo communityで旧世代向けのWindows 7のプリロードイメージを求める声にはこう答えている。
Re: Strong Need: Windows 7 Discs for Vista ThinkPads 2007-2009 (Recovery & Install Discs) [ Edited ] 10-24-2009 06:31 AM - last edited on 10-24-2009 06:31 AM
(中略)
I don't think we even made a preload for T61 and older systems. It's one thing to provide drivers. It's another thing to go through and create a full blown preload which costs in time and money to do all of the testing necessary. It wouldn't make sense to make a preload for a system we no longer sell.
個人的には、まあそんなものだろうな、という以上の感想はない。
Q6 EEの結果、Windows 7はどれぐらい高速化されるのか。
A6 秋葉原カフェソラーレでのタッチ&トライ、大和事業所でのメディア向け説明会の起動デモでは(いずれもT400sのSSD搭載機)、起動時間は以下のとおり。
BIOSの 起動ロゴが 消えるまで | Starting Windowsが 出るまで | デスクトップが 出るまで | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
EE | 非EE | EE | 非EE | EE | 非EE | 短縮率 | |
Akiba PC Hotline(タッチ&トライ) | 6 | 7 | 9 | 19 | 25 | 35 | 28.6% |
PC Watch(大和事業所) | 7 | 9 | 11 | 23 | 29 | 44 | 34.1% |
週アスPLUS(大和事業所) | 7 | 9 | 10 | 13 | 29 | 47 | 38.3% |
CNET Japan(大和事業所) | 14 | 27 | 32 | 44 | 27.3% |
(注)タッチ&トライはマイコミジャーナルにも動画があるが、非EEの方がよく見えないので割愛。大和事業所はメディアによって差があるが、デモのときによって違う模様。CNET Japanは起動ロゴが消えるときが写ってない。
なお、大和事業所ではCPUの負荷が落ち着くまでがOSの起動と説明している。
Q7 EEによる高速化をユーザーが検証できるか。
A7(普通は)できない。
現行世代の場合、Windows 7で動作するドライバーは以下があり得るが、
- 個々のデバイスメーカーが提供する(全てあるとは限らない)汎用ドライバー
- Windows 7が自動判別するIn-boxかWindows Updateのドライバー
- Lenovoが提供するWindows 7用のドライバー
- Lenovoが提供するWindows 7用で、かつEE対応のドライバー
その意味では、EEでない方のデモ機がどういうドライバーなのかは興味があるところ。
Q8 EE対応のBIOSは、どれぐらい高速化に貢献しているのか。
A8 機種によって違うが、2-3秒。BIOSのPOSTにかかる時間は、EE前は10秒台で、EE後は平均8秒とのこと。lenovo communityで質問したらJohn Meseが答えてくれた。
Re: Lenovo Enhanced Experience - Extensible Firmware Interface (Part 1) 11-05-2009 11:36 AM
(中略)
The 1.5s BIOS Post time is only on the special "concept car" T400s. It is a heavily tweaked BIOS just to demonstrate the advancements in the technology. I can not confirm when we will release UEFI systems (thus the "in the future" comment) but know that we are working on it now and it is in the upcoming product roadmap. Let me be clear, though, that Calpella platform systems will launch with a legacy BIOS implementation. You can expect, however, EE work from the Montevina Win7 launch systems will carry forward into the Calpella products.
The real speed gain of EE BIOS depends on the system. On average we took our BIOS Post times down from "in the teens" to about 8s (measured from the start of EE work to the release). The biggest single fix we made as part of our EE work however, was about a 2-3s improvement as you indicated. Very good estimate!
これは以下のビデオを踏まえたもの。技術デモンストレーション用のプロトタイプで1.5秒で起動するBIOSの話が出てくる。上の答えによれば、まだ開発中で、次のCalpellaプラットフォームには間に合わないが。
Q9 Windows 7のプリロード機のみに含まれるWindows 7の最適化の効果はどのぐらいか。
A9 正確には不明。ただ、A3に挙げたビデオではこの最適化の有無に関わらず、ほとんど(mostly)同じだと言っている。その他にも、Lenovoの人はたいして差はないという説明をしているようである。
[参考]
せうの日記: ThinkPad祭り in 秋葉原とLenovo EE。
せうの日記: ThinkPad祭り in 秋葉原とLenovo EE。
Q10 Windows 7のプリロード機を購入したとして、それに含まれるWindows 7の最適化の効果はドライバー等をアップデートすると消えてしまわないのか。
A10 今後開発されるドライバー等は同じEEの過程を通るので、そういうことはないとのこと。lenovo communityで質問したらAdminのMark Hopkinsが答えてくれた。
Re: Bought with Vista, Free Upgrade to Windows 7 10-27-2009 11:06 AM
(中略)
The intent would be that all updates for Windows 7 preloaded systems would go through the same EE process such that future updates should not degrade the original experience.
ただ、個人的には、サービスパックなど大きなOSの変化があれば多少の最適化はご破算にされないかという疑問はある。
Q11 EE対応の現行世代は、旧世代より起動が速いのか。
A11 OSの起動時間は、機種/インストールしているソフト/接続しているデバイス/ネットワーク設定等でかなり変わってくるので、一概には言えない。ただ、自分のX61sにWindows 7 64bitをインストールした状態では、以下のとおり。
(注)CPUはCore2Duo L7700、メモリは4GB、ストレージはX25-M。ドライバー等は基本的に事前に確認したとおり。ただし、プロダクティビティセンターとWindows 7用のToolboxは未インストール。WLANはIn-boxドライバーの状態。
起動時間はBIOSに6秒、デスクトップが現れるまでに31秒といったところ。起動デモに使われていたT400s(SSD搭載機)に対し、機種/インストールしているソフトが違うので直接の比較はできないが、そんなに遜色はない。
なお、自分がタッチ&トライで触ったT400s、X200sはいずれもHDD搭載機で、起動に50秒前後かかっていた。当然ではあるが、EEの有無よりHDDとSSDの違いの方がはるかに大きい。
3. その他
Lenovoは7-8日に池袋でもタッチ&トライを行うので、近ければ直接確認に行ってもいいかもしれない。ちなみに、自分は秋葉原でのときに巻き取り式LANケーブルをいただいた。
2009/11/01
CrystalDiskInfoとIntel SSD
Intel SSD Toolboxと共に、ついに公開されたS.M.A.R.T.情報を受けて、CrystalDiskInfoがIntel SSDのS.M.A.R.T.に正式対応した(CrystalDiskInfo 3.1.0)。健康状態も表示されるようになっている。
この健康状態はE8(Available Reserved Space)に対応したもの。Intel SSD ToolboxのUser GuideではE8は以下のようになっている。
thresholdとされている10%まではまだ遠い。
E2、E3、E4が新たに表示されるようになったが、これらの意味は不明。ちなみに、03(Spin Up Time)と04(Start/Stop Count)は常に0なので、とくに意味はない。
各項目の名前は、英語表示はIntel SSD Toolboxに従ったもので、日本語表示はこれから和訳している。
また、テキストコピーしたログにはそのHDD/SSDが対応しているQueue Depthが入るようになっている。CrystalDiskMark(開発中の3.0)で複数のQueue Depthを取り入れたことに対応したものか。
この数字は、少なくとも最近のHDDでは32なのがお約束なので、このSSDの31というのは少し不思議ではある。
この健康状態はE8(Available Reserved Space)に対応したもの。Intel SSD ToolboxのUser GuideではE8は以下のようになっている。
3.4.2.8 E8 – Available Reserved Space
This attribute reports the number of reserve blocks remaining. The attribute value begins at 100 (64h), which indicates that the reserved space is 100 percent available. The threshold value for this attribute is 10 percent availability, which indicates that the drive is close to its end of life. Use the Normalized value for this attribute.
thresholdとされている10%まではまだ遠い。
E2、E3、E4が新たに表示されるようになったが、これらの意味は不明。ちなみに、03(Spin Up Time)と04(Start/Stop Count)は常に0なので、とくに意味はない。
各項目の名前は、英語表示はIntel SSD Toolboxに従ったもので、日本語表示はこれから和訳している。
また、テキストコピーしたログにはそのHDD/SSDが対応しているQueue Depthが入るようになっている。CrystalDiskMark(開発中の3.0)で複数のQueue Depthを取り入れたことに対応したものか。
Queue Depth : 31
この数字は、少なくとも最近のHDDでは32なのがお約束なので、このSSDの31というのは少し不思議ではある。
2009/10/27
Intel SSD Toolbox(公開)
Intel天野氏が予告し、Windows 7発売イベントでも話に出していた(Windows 7深夜イベントはゲスト多数 古谷徹に改造バカ、神様、兄貴と総出演)Intel SSD Toolboxが公開された(Intel Solid-State Drive Toolbox with Intel SSD Optimizer Enables Users to Maximize SSD Performance over Time)。
酷使してきたX25-Mではこんなもの。残念ながら英語だけらしい。
同梱のUser Guideを参照すると、
Management Toolsは、G1はTrimに対応していないので、当然使えない。それはそれとして、スケジュールを組んで定期的に行うものとは思わなかった。
Diagnostic Scanではとくに問題ないらしい。
念のため、現在の状態をCrystalDiskMark(開発中の3.0 Alpha2)でチェック。Windows 7で既存パーティションを縮小し、4GBのパーティション(NTFS)を作成して、実行。
結果はとくに以前と変わったところはない。
1. S.M.A.R.T.
酷使してきたX25-Mではこんなもの。残念ながら英語だけらしい。
同梱のUser Guideを参照すると、
- 05(Re-Allocated Sector Count)が1なので、4以上8未満のdefectがあることになる。
- E8(Available Reserved Space)はパーセント表示で、まだ99パーセント残っていることになるので、余裕。
- E9(Media Wearout Indicator)は100から1までの値をとるようなので、半分に減ったことになる。1になるともう減らないが、それでも相当量の書き込みができるようなので、実は心配しなくていいのかもしれない。
3.4.2.9 E9 – Media Wearout Indicator
This attribute reports the number of cycles the NAND media has experienced.
The normalized value declines linearly from 100 to 1 as the average erase cycle count increases from 0 to the maximum rated cycles.
Once the normalized value reaches 1, the number will not decrease, although it is likely that significant additional wear can be put on the device. Use the Normalized value for this attribute.
- E1(Host Writes)は、65,536セクタ(=32MiB)ごとに1増えるらしいが、見るべきなのはRawの方とのこと。27.54TBということは、E9を調べたときに計算した34.83TiB以上より少ない。
2. その他
Management Toolsは、G1はTrimに対応していないので、当然使えない。それはそれとして、スケジュールを組んで定期的に行うものとは思わなかった。
Diagnostic Scanではとくに問題ないらしい。
念のため、現在の状態をCrystalDiskMark(開発中の3.0 Alpha2)でチェック。Windows 7で既存パーティションを縮小し、4GBのパーティション(NTFS)を作成して、実行。
結果はとくに以前と変わったところはない。
2009/10/20
Windows 7 直前
Windows 7のリリースが迫ってきたところで、現状のまとめ。
ThinkPad X61sで64bit版を使うことを目算に、Lenovoの特設ページ(Windows 7 BETA Drivers and Utilities)と機種ごとのページからダウンロードできるもの等、以下の動作を確認。
22日以降に更新されたものを赤字で表記。
ユーティリティは、Windows 7では継続されないか(Windows 7 and ThinkVantage Technologies)、不明なものでも、以下はVista用が機能するのを確認。
Access Connectionsと省電力マネージャーのタスクバー表示は、結局こうなった。
左上角を丸めたデザインは、Access Connectionsを使わない場合も考えて、省電力マネージャーも同じ形にしておこうということかもしれないが、そもそもこのデザインが要るのかと。これでタスクバーを縦置きすると、こうなる。
タスクバーの幅が広がってしまうが、まあ破綻なく落ち着く。ただし、省電力マネージャーはわずかに右に寄っているし、プラグのアイコンが少し切れている。横置きでタスクバーを細くできない問題はそのまま。
[追記1]
表示言語を英語にすると、縦置きでもプラグのアイコンが切れないことに気づいた。英語(左)と日本語(右)を並べると、日本語の方が電池が横長になっているのが分かる。
中にある文字のフォント設定の影響を受けている感じがするが、DPIを変えたときも崩れがちなので、表示の設計がうまくされてない様子。
[追記2]
その後、縦置きしても破綻しないデザインに変わっていた。タスクバーが広がる幅も狭くなっている。いつからかは知らないが、Access Connections(5.72)と省電力マネージャー(3.40)ではこうなる。
Windows 7では「デバイスとプリンター」にPC自体がデバイスとして出てくるが、ThinkPadの場合はこれが専用アイコンに変わり、クリックするとLenovoの専用ウィンドウが出てくるようになる(Windows7 RTM版をインストールしてみました)。
これには設定を少し変更する必要がある。といっても、特に意識せずに操作していてもそうなるが。以下の「デバイスとプリンター」では、デバイスの列の右端にあるのがPC自体(ThinkPad X61s)を示すデフォルトのアイコン。
設定には、このウィンドウの上に「拡張デバイスアイコンおよびインターネットからの情報を表示できます」と出ているバーをクリックし、「デバイス情報をインターネットから取得」を選ぶ。または、ここで「デバイスのインストール設定を開く」を選ぶか、PC自体のアイコンを右クリックして「デバイスのインストール設定」を開くと、以下のダイアログボックスが出てくる。
この「汎用のデバイスアイコンを、拡張されたアイコンで置き換える」にチェックしておくと、そのうちデータがダウンロードされてきて、PC自体のアイコンがThinkPadのものに変わる。ついでにCanonのプリンターのアイコンも変わっている。
このThinkPadのアイコンは、一見してThinkPad X30xをモデルにしたものと分かる。ちなみに左は新型ThinkPad USBキーボードのアイコンだが、下の楕円の左端が切れていたり、妙に青みがかっていたりと、出来が今一つ。
このThinkPadのアイコンをクリックするとLenovoの専用ウィンドウが現れる。ここのリンクからそれぞれの設定を開けたりする。
X30xでもないのに、X30xがモデルのアイコンというのも少し変な感じがするので、X6x(より正確にはX61s)をモデルにしたアイコンを作ってみた(Vector: ThinkPadX6xアイコン。置き換えるアイコンのパスはreadmeに表記)。
特大サイズで他のアイコンと並べてみるとこんな感じ。
アイコンの機能として、こんなに大きなサイズが要るのかと思わないでもない。が、ThinkVantageのアイコン勢はボーリング用のボール(としか見えない)に白抜きで重ねただけで、割り切りが素晴らしい。
[追記1]
22日に出た「デバイスとプリンターフォルダ内のアイコン表示に関するレジストリ・パッチ」を適用すると、「デバイスとプリンター」にBluetoothモジュールと指紋認証コプロセッサーが出なくなる。
Readmeによれば、
ということなので、これらは本来表示されるべきものではなかったらしい。
[追記2]
その後、Lenovoの専用ウィンドウが日本語で表示されるように変わっている。
これに伴って、ThinkPadのアイコンがあるパスも「en-us」が「ja-jp」に変わっている。
セキュリティの警告の日本語がおかしい点は(「を」が抜けている)、RTMでも修正されなかった。比較的よく出てくるダイアログボックスなのに。次に修正が入るのは何年後だろう。
参考までに、英語での表示。
1. ドライバー
ThinkPad X61sで64bit版を使うことを目算に、Lenovoの特設ページ(Windows 7 BETA Drivers and Utilities)と機種ごとのページからダウンロードできるもの等、以下の動作を確認。
22日以降に更新されたものを赤字で表記。
- ディスプレイ(Mobile Intel 965 Express Chipset Family)(8.15.10.1867)(Windows Update)
- モニター(4.0.0.0)(Windows Update)
- オーディオ(SoundMAX Integrated Digital HD Audio)(6.10.2.7255)(Lenovo)
- 省電力ドライバー(
1.55.0.0)(Lenovo) - 省電力マネージャー(3.05)(Lenovo)
- システム制御ドライバー(1.01)(Lenovo)
- ホットキー機能=オンスクリーン表示(5.32.00)+全画面拡大機能(2.10)(Lenovo)
- TrackPoint(4.69.0.0)(Lenovo)
- Intel Matrix Storage Manager(Intel ICH8M-E/M SATA AHCI Controller)(8.9.2.1002)(Lenovo)
- LAN(Intel 82566MM Gigabit Network Connection)(9.13.4.10)(In-box)
- WLAN(Intel Wireless WiFi Link 4965AGN)(13.0.0.107)(Lenovo)
- Bluetooth(6.1.7600.16385)(In-box)
- モデム(ThinkPad Modem)(7.62.0.0)(Windows Update)
- Access Connections(5.41)(Lenovo)
- Intel Chipset Support(9.1.1.1016)(Lenovo)
- System Update(4.0.0024)(Lenovo)
- Toolbox(6.0.5387.30)(Lenovo)
ユーティリティは、Windows 7では継続されないか(Windows 7 and ThinkVantage Technologies)、不明なものでも、以下はVista用が機能するのを確認。
- プロダクティビティセンター(3.11)
- モビリティセンター(1.50)
- キーボードカスタマイズユーティリティー(1.0.01)
- System Toolbox(5.1.5183.17)
- ヘルプセンター(2.00n)
- Access Help(2.00)
2. タスクバーの縦置き
Access Connectionsと省電力マネージャーのタスクバー表示は、結局こうなった。
左上角を丸めたデザインは、Access Connectionsを使わない場合も考えて、省電力マネージャーも同じ形にしておこうということかもしれないが、そもそもこのデザインが要るのかと。これでタスクバーを縦置きすると、こうなる。
タスクバーの幅が広がってしまうが、まあ破綻なく落ち着く。ただし、省電力マネージャーはわずかに右に寄っているし、プラグのアイコンが少し切れている。横置きでタスクバーを細くできない問題はそのまま。
[追記1]
表示言語を英語にすると、縦置きでもプラグのアイコンが切れないことに気づいた。英語(左)と日本語(右)を並べると、日本語の方が電池が横長になっているのが分かる。
中にある文字のフォント設定の影響を受けている感じがするが、DPIを変えたときも崩れがちなので、表示の設計がうまくされてない様子。
[追記2]
その後、縦置きしても破綻しないデザインに変わっていた。タスクバーが広がる幅も狭くなっている。いつからかは知らないが、Access Connections(5.72)と省電力マネージャー(3.40)ではこうなる。
3. デバイスとプリンターにおけるThinkPad
Windows 7では「デバイスとプリンター」にPC自体がデバイスとして出てくるが、ThinkPadの場合はこれが専用アイコンに変わり、クリックするとLenovoの専用ウィンドウが出てくるようになる(Windows7 RTM版をインストールしてみました)。
これには設定を少し変更する必要がある。といっても、特に意識せずに操作していてもそうなるが。以下の「デバイスとプリンター」では、デバイスの列の右端にあるのがPC自体(ThinkPad X61s)を示すデフォルトのアイコン。
設定には、このウィンドウの上に「拡張デバイスアイコンおよびインターネットからの情報を表示できます」と出ているバーをクリックし、「デバイス情報をインターネットから取得」を選ぶ。または、ここで「デバイスのインストール設定を開く」を選ぶか、PC自体のアイコンを右クリックして「デバイスのインストール設定」を開くと、以下のダイアログボックスが出てくる。
この「汎用のデバイスアイコンを、拡張されたアイコンで置き換える」にチェックしておくと、そのうちデータがダウンロードされてきて、PC自体のアイコンがThinkPadのものに変わる。ついでにCanonのプリンターのアイコンも変わっている。
このThinkPadのアイコンは、一見してThinkPad X30xをモデルにしたものと分かる。ちなみに左は新型ThinkPad USBキーボードのアイコンだが、下の楕円の左端が切れていたり、妙に青みがかっていたりと、出来が今一つ。
このThinkPadのアイコンをクリックするとLenovoの専用ウィンドウが現れる。ここのリンクからそれぞれの設定を開けたりする。
X30xでもないのに、X30xがモデルのアイコンというのも少し変な感じがするので、X6x(より正確にはX61s)をモデルにしたアイコンを作ってみた(Vector: ThinkPadX6xアイコン。置き換えるアイコンのパスはreadmeに表記)。
特大サイズで他のアイコンと並べてみるとこんな感じ。
アイコンの機能として、こんなに大きなサイズが要るのかと思わないでもない。が、ThinkVantageのアイコン勢はボーリング用のボール(としか見えない)に白抜きで重ねただけで、割り切りが素晴らしい。
[追記1]
22日に出た「デバイスとプリンターフォルダ内のアイコン表示に関するレジストリ・パッチ」を適用すると、「デバイスとプリンター」にBluetoothモジュールと指紋認証コプロセッサーが出なくなる。
Readmeによれば、
このソフトウェア(レジストリ・パッチ)は、デバイスとプリンターフォルダ内に、内部デバイスのアイコンが表示されないようにします。
ということなので、これらは本来表示されるべきものではなかったらしい。
[追記2]
その後、Lenovoの専用ウィンドウが日本語で表示されるように変わっている。
これに伴って、ThinkPadのアイコンがあるパスも「en-us」が「ja-jp」に変わっている。
4. このファイル「を」開く前に常に警告する
セキュリティの警告の日本語がおかしい点は(「を」が抜けている)、RTMでも修正されなかった。比較的よく出てくるダイアログボックスなのに。次に修正が入るのは何年後だろう。
参考までに、英語での表示。
2009/10/05
今時のGbE
GbEがコンシューマ向けに出回り始めてから(2002年頃)随分たつ。その次の10GbEがコンシューマ向けに降りてくる気配はないので、当分はGbEなのだろう。一方、ローカルストレージの速度はじわじわ上がり続け、単体でもGbEの規格上の速度を抜き、SSDの登場で差は大きく開きつつある。
コンシューマでGbEによるメリットが大きいのはNASと言っていいと思うが、NASの速度に関係するのはおよそ以下のもの。
そうなると、次にはPC自体のGbE性能(実効速度)がボトルネックになる可能性がある。GbEが出たての頃は、実効速度は規格上の上限に遠く及ばないものだった。そこで、今時のPCではGbEの速度がどれぐらい出るものか確認してみた。
PCは例によってThinkPad X60sとX61sを使用。
まず、ハブ(BuffaloのLSW-GT-5W)を介して、X60sから計測した場合(左)とX61sから計測した場合(右)。
次に、直結した場合。
結果は、
既にPC自体のGbE性能が、GbEで実際に望みうるほぼ上限に達していたのは意外だった。つまり、NASを使うためにPC自体のGbE性能を気にする必要はないことになる。
1. ボトルネック
コンシューマでGbEによるメリットが大きいのはNASと言っていいと思うが、NASの速度に関係するのはおよそ以下のもの。
- NAS自体の性能(RAID等の内部処理+GbE)
- NAS内部のストレージの性能
- PC自体のGbEの性能
- PC内部のストレージの性能
そうなると、次にはPC自体のGbE性能(実効速度)がボトルネックになる可能性がある。GbEが出たての頃は、実効速度は規格上の上限に遠く及ばないものだった。そこで、今時のPCではGbEの速度がどれぐらい出るものか確認してみた。
2. 実測
PCは例によってThinkPad X60sとX61sを使用。
- OSはWindows 7 RTMをインストール。ネットワークのパラメータはとくに設定せず(Vista以降はOSが自動調整する)。
- ローカルストレージの速度に影響されないようI-O DataのRamPhantom7でramdiskを作成し、ネットワークで共有させた上で、互いにこれを対象としてCrystalDiskMarkを実行。ramdiskの容量が256MBなので(体験版の上限)、テストサイズは100MBとした。
- なお、ネットワークアダプターにジャンボフレームの設定はない。
ThinkPad X60s | ThinkPad X61s | |
OS | Windows 7 RTM 32bit | Windows 7 RTM 64bit |
ネットワーク アダプター | Intel PRO/1000 PL Network Connection (ICH7-M) | Intel 82566MM Gigabit Network Connection (ICH8-M) |
ドライバー | 9.13.16.0 (Windows Update) | 9.13.4.10 (In-box) |
ramdisk | RamPhantom7 32bit Free | RamPhantom7 64bit Free |
まず、ハブ(BuffaloのLSW-GT-5W)を介して、X60sから計測した場合(左)とX61sから計測した場合(右)。
次に、直結した場合。
結果は、
- シーケンシャルアクセスの最高で110MB/s程度の速度が出ている。計算すると880Mbpsになるので、規格上の上限にかなり近い。
- このハブは2004年購入のものだが、ほとんどボトルネックになっていない。当時から規格上の上限に近い性能があったことを発見。
- ジャンボフレームの設定がなくても、もう速度には関係ないらしい。
3. 結論
既にPC自体のGbE性能が、GbEで実際に望みうるほぼ上限に達していたのは意外だった。つまり、NASを使うためにPC自体のGbE性能を気にする必要はないことになる。
2009/09/28
32bit vs 64bit(ストレージ的に)
Windows 7の32bit版と64bit版について、ASCII.jpの記事「32bit vs 64bit Windows 7を入れるならどっちだ?」では64bitの方がHDDアクセスがかなり速いという結果が出ているが、これはダウトという話。
Windows 7に移行するときは64bit版にしようと思っているが、従来、64bitのメリットが出るのは64bitのアプリケーションを使うときだけで、HDDアクセス自体はOSが64bitになったからといって速くなるものではないと認識していた。例えば、ITproの記事「Windows 7の64ビット版は“速い”のか」ではWindows 7 BetaとVistaのそれぞれ32bitと64bitについて、
ところが、ASCII.jpの記事「32bit vs 64bit Windows 7を入れるならどっちだ?」ではWindows 7(RTMか)の32bitと64bitについて、
それではと、手持ちのHDDをWindows 7 RTMの32bitと64bit上で計測してみた。対象のHDDはTravelstar 5K500.Bの500GBモデル(HTS545050B9A300)で、ThinkPad X61s(メモリは4GB。32bitと64bitでドライバは基本的に同じで、Intel Matrix Storage Managerは8.9.0.1023)を使用。
まずはCrystalDiskMark(2.2)。
続いてHD Tune Pro(3.50)。
結果は32bitと64bitでほとんど同じで、従来の認識を確認しただけに終わった。
改めてASCII.jpの記事を見ると、対象のHDDはWestern DigitalのWD10EADSの1TBモデルで、CrystalDiskMarkのシーケンシャルアクセスの値は32bitでは60MB/s前後台後半、64bitでは90MB/s前後になっている。テストサイズは50MBらしい。
一方、WD10EADSのCrystalDiskMarkでの値を検索してみると、環境とテストサイズによって差があるが、大体100MB/s前後で、値が低く出る1000MBのテストサイズのときでも90MB/s程度だった。
これから見ると、ASCII.jpの記事の64bitの値は普通といえるが、32bitの値は異常に低い。ハードウェア的には、Intel環境ではCPUはCore2QuadのQ6600、チップセットはP35 Express、メモリは4GBと、十分なもので、足を引っ張るようなものではない。上の2.の結果と比べても、スペック的に上回るこのハードウェアで大差を付けられるのは断然おかしい。
すなわち、ASCII.jpの記事の32bitの環境にたまたま何か足を引っ張る要因があり、32bitの値が低く出た結果、普通の値の64bitとの間で差があるように見えたに過ぎない可能性がある。
この可能性を潰さないと比較として疑問が残るが、64bitの方が速いという記事にしたいがためのバイアスがどこかで働いたのではないかと思う。
[追記と訂正]
ASCII.jpの記事中のCrystalDiskMarkのシーケンシャルアクセスの値は以下のとおり。
32bitの数字を「60MB/s前後」と書いていたが、「60MB/s台後半」に訂正。
1. 前振り
Windows 7に移行するときは64bit版にしようと思っているが、従来、64bitのメリットが出るのは64bitのアプリケーションを使うときだけで、HDDアクセス自体はOSが64bitになったからといって速くなるものではないと認識していた。例えば、ITproの記事「Windows 7の64ビット版は“速い”のか」ではWindows 7 BetaとVistaのそれぞれ32bitと64bitについて、
- PCMark05のHDD(XP Startup、General Usage、Virus Scan)
- PCMark VantageのHDD Test Suite
ところが、ASCII.jpの記事「32bit vs 64bit Windows 7を入れるならどっちだ?」ではWindows 7(RTMか)の32bitと64bitについて、
- CrystalDiskMark
- PCMark05のHDD
- PCMark VantageのHDD(HDD Test Suiteのことか)
2. 実測
それではと、手持ちのHDDをWindows 7 RTMの32bitと64bit上で計測してみた。対象のHDDはTravelstar 5K500.Bの500GBモデル(HTS545050B9A300)で、ThinkPad X61s(メモリは4GB。32bitと64bitでドライバは基本的に同じで、Intel Matrix Storage Managerは8.9.0.1023)を使用。
まずはCrystalDiskMark(2.2)。
(注)HDDの先頭に2GBのパーティション(NTFS、クラスタサイズは4KB)を作成し、X61s本体に入れた状態で、ウルトラベースX6からWindows 7 RTMを起動して計測。64bitではDiskMarkX64.exeの方を使用。
続いてHD Tune Pro(3.50)。
(注)HDDにパーティションがない状態で、同様に計測。
結果は32bitと64bitでほとんど同じで、従来の認識を確認しただけに終わった。
3. 比較
改めてASCII.jpの記事を見ると、対象のHDDはWestern DigitalのWD10EADSの1TBモデルで、CrystalDiskMarkのシーケンシャルアクセスの値は32bitでは60MB/s
一方、WD10EADSのCrystalDiskMarkでの値を検索してみると、環境とテストサイズによって差があるが、大体100MB/s前後で、値が低く出る1000MBのテストサイズのときでも90MB/s程度だった。
これから見ると、ASCII.jpの記事の64bitの値は普通といえるが、32bitの値は異常に低い。ハードウェア的には、Intel環境ではCPUはCore2QuadのQ6600、チップセットはP35 Express、メモリは4GBと、十分なもので、足を引っ張るようなものではない。上の2.の結果と比べても、スペック的に上回るこのハードウェアで大差を付けられるのは断然おかしい。
すなわち、ASCII.jpの記事の32bitの環境にたまたま何か足を引っ張る要因があり、32bitの値が低く出た結果、普通の値の64bitとの間で差があるように見えたに過ぎない可能性がある。
この可能性を潰さないと比較として疑問が残るが、64bitの方が速いという記事にしたいがためのバイアスがどこかで働いたのではないかと思う。
[追記と訂正]
ASCII.jpの記事中のCrystalDiskMarkのシーケンシャルアクセスの値は以下のとおり。
32bit | 64bit | 増加率 | |
---|---|---|---|
Intel環境 | |||
Sequential Read | 68.606 | 87.134 | 27.0% |
Sequential Write | 68.187 | 86.331 | 26.6% |
AMD環境 | |||
Sequential Read | 69.286 | 91.268 | 31.7% |
Sequential Write | 67.851 | 91.419 | 34.7% |
32bitの数字を「60MB/s前後」と書いていたが、「60MB/s台後半」に訂正。
2009/09/20
新型ThinkPad USBキーボードのブラウザキー
ThinkPad USBトラックポイントキーボードの具合が良いのでしばらく使っていると、気になるのがブラウザキーの問題。Scancode Mapを使うやり方やキーボード・カスタマイズ・ユーティリティーを試してみたが、無効化できない。
では、これらがどういうスキャンコードを出しているのか、窓使いの憂鬱で見てみると、
それぞれ2つのコードを同時に出すようになっていた。これではScancode Mapではうまく行かない。が、スキャンコードの表に照らし合わせてみると、
タネが分かれば話は簡単で、キーボードショートカットを無効にする方法は幾らもあるが、例えばFirefoxではadd-onのKeyconfigで簡単に設定できる。
無効にするだけなら、この「進む」と「戻る」のキーを削除すれば終わり。
では、これらがどういうスキャンコードを出しているのか、窓使いの憂鬱で見てみると、
それぞれ2つのコードを同時に出すようになっていた。これではScancode Mapではうまく行かない。が、スキャンコードの表に照らし合わせてみると、
- 進むキー=38+e04d=左Alt+右カーソル
- 戻るキー=38+e04b=左Alt+左カーソル
タネが分かれば話は簡単で、キーボードショートカットを無効にする方法は幾らもあるが、例えばFirefoxではadd-onのKeyconfigで簡単に設定できる。
無効にするだけなら、この「進む」と「戻る」のキーを削除すれば終わり。
2009/09/19
HTV到着
18日朝、HTVがISSに到着、結合された。
まだISSから分離して大気に落下させるまでプロジェクトとして完了ではないが、ロケットと宇宙機という巨大技術がまだ成熟には遠い中で、初号機でここまで出来たのは良かった。周辺環境や今後のことなど必ずしも容易ではないのだろうが、まずは成功したことは良かった。
宇宙への輸送といえば、少し前に松浦晋也さんの『スペースシャトルの落日』を読んだ。内容にもう少し技術的な詰めが欲しかったが(基本的な材料は提示されている)、メッセージは初めから明快で、「スペースシャトルは宇宙船として巨大な失敗作である。」ということである(P6)。
かつて子供心に、使い捨てロケットの後は宇宙往還機で、そのまま普通に宇宙旅行する時代が来ると直線的な未来を信じて、途中で事故はあっても、それを乗り越えて進んでいくのだと思っていた。それが、そのうちスペースシャトルの退役と使い捨てロケットへの回帰と変わり、腑に落ちないままだった。
しかし、初飛行以来30年近くにわたる実績が、当初の期待(と世界が思わされてきたもの)を大きく下回ることは事実で、細かい技術論は抜きにして、失敗作と扱われても仕方がないと思う。
いや、もっと予算を投入して改良を続けていけば化けたのかもしれないが、NASAの潤沢な予算をもってしての(他の宇宙機関に比べれば)30年近い結果がこれなのだから、どうにもならない。
HTVが成功し、NASAもアレスで使い捨てロケットに回帰すれば、ロシアと欧州、それに民間のSpaceXを含めて宇宙への輸送は使い捨てロケットの時代に戻ることになる。端から見ると時代が巻き戻るようで面白くないが、宇宙往還機が時代より早すぎたとすれば仕方がない。
当分はそうとして、さらに先の未来を想像してみると、
(NASAのHuman Space Flight Galleryより)
まだISSから分離して大気に落下させるまでプロジェクトとして完了ではないが、ロケットと宇宙機という巨大技術がまだ成熟には遠い中で、初号機でここまで出来たのは良かった。周辺環境や今後のことなど必ずしも容易ではないのだろうが、まずは成功したことは良かった。
宇宙への輸送といえば、少し前に松浦晋也さんの『スペースシャトルの落日』を読んだ。内容にもう少し技術的な詰めが欲しかったが(基本的な材料は提示されている)、メッセージは初めから明快で、「スペースシャトルは宇宙船として巨大な失敗作である。」ということである(P6)。
かつて子供心に、使い捨てロケットの後は宇宙往還機で、そのまま普通に宇宙旅行する時代が来ると直線的な未来を信じて、途中で事故はあっても、それを乗り越えて進んでいくのだと思っていた。それが、そのうちスペースシャトルの退役と使い捨てロケットへの回帰と変わり、腑に落ちないままだった。
しかし、初飛行以来30年近くにわたる実績が、当初の期待(と世界が思わされてきたもの)を大きく下回ることは事実で、細かい技術論は抜きにして、失敗作と扱われても仕方がないと思う。
いや、もっと予算を投入して改良を続けていけば化けたのかもしれないが、NASAの潤沢な予算をもってしての(他の宇宙機関に比べれば)30年近い結果がこれなのだから、どうにもならない。
HTVが成功し、NASAもアレスで使い捨てロケットに回帰すれば、ロシアと欧州、それに民間のSpaceXを含めて宇宙への輸送は使い捨てロケットの時代に戻ることになる。端から見ると時代が巻き戻るようで面白くないが、宇宙往還機が時代より早すぎたとすれば仕方がない。
当分はそうとして、さらに先の未来を想像してみると、
- カプセル型宇宙機が大化けする(垂直に宇宙港に降りてくるような)。
- 人間だけ乗せる小型の往還機をロケットの先端に取り付ける形(HOPEのような)になる。
- 空中発進型の往還機(SpaceShipOneのような)が一気に進む。
2009/09/13
Intel SSD Toolbox(予定)
12日に行われた「Intel Technology Day in Akiba 2009」におけるIntel天野氏のプレゼンテーションで、IntelのSSDのS.M.A.R.T.について言及があった。AKIBA PC Hotline!に動画と資料の写真がある(「だれにも聞けないSSDの疑問」を「神様」が解説 XP/Vista用のTrimツールも準備中、廉価版の話題も)。
この中のQ6で(動画の11:38から)、SSDの寿命を判断するためのS.M.A.R.T.の項目として以下を挙げている(Q6の資料による。項目名は口頭とは少し違い、Q7の資料とも少し違うので、正式なものか不明)。
ということで、ようやくというか、意外に早くというか、S.M.A.R.T.の情報が公開されそうである。静かに社内で粛々と準備を進めてきていたわけで、結構なことである。
この「SSD Toolbox」のS.M.A.R.T.項目はこんな感じ(Q7の資料から。RC版らしい)。
以前に酷使したX25-Mは現在以下のとおり。E1、E9、E8は変わってないが、いつの間にか05が1になっている。
E1の書き込み量と、E8の予備領域はまあ分かるし、しきい値からすれば余裕がありそうだが、E9の「Media Wearout Indicator」は口頭の説明でもよく分からなかった。ついでに05との関係も気になるところ。
その辺を含めて、細かい見方については然るべきときが来れば説明するとのことなので、今後に期待。
ちなみに、プレゼンテーションの最後はSSD事業部の人によるビデオで、
[追記1]
ひよひよさんがCrystalDiskInfoで早速、対応されている(CrystalDiskInfo 3.0.0 RC5)。
和訳は、難しい。
[追記2]
Intel自身がまともな和訳を付けてくれるのが一番なので、以下はIntelへの駄目元のメッセージ。
(参考)Intel Matrix Storage Consoleの「生成」問題
SATAの転送モードが現在どうなっているかを示す部分に、日本語では「生成」という単語が出てくるが、何かの用語かと思いきや、英語の「Generation」の誤訳である問題。
この和訳を作成した人の問題もさることながら、それがそのままリリースされ、現在に至るも修正されていないことが(上は2009年9月時点の最新の8.9.0.1023)Intel社内のチェック体制に不安を抱かせるものとなっている。
なお、どうしても気になる場合は、PlugInSATA_JPN.dll中のリソースを書き換えてしまう方法がある。
[追記3]
SATAの転送モードは、Intel Rapid Storage Technology 10.1.0.1008では「1.5 Gb/秒」、「3.0 Gb/秒」といった転送速度で示されるようになった。
この中のQ6で(動画の11:38から)、SSDの寿命を判断するためのS.M.A.R.T.の項目として以下を挙げている(Q6の資料による。項目名は口頭とは少し違い、Q7の資料とも少し違うので、正式なものか不明)。
- E1: Host Writesインジケータ(書き込み量の統計)
- E9: Media Wearインジケータ(ウェアレベリングのレベル)
- E8: Available Reserved Space(予備領域の残り)
ということで、ようやくというか、意外に早くというか、S.M.A.R.T.の情報が公開されそうである。静かに社内で粛々と準備を進めてきていたわけで、結構なことである。
この「SSD Toolbox」のS.M.A.R.T.項目はこんな感じ(Q7の資料から。RC版らしい)。
ID | Description | Raw | Value | Worst | Threshold |
---|---|---|---|---|---|
04 | Start/Stop Count | 0 | 100 | 100 | 0 |
05 | Re-allocated Sector Count | 7 | 100 | 100 | 0 |
09 | Power-On Hours Count | 5 | 100 | 100 | 0 |
0C | Power Cycle Count | 5 | 100 | 100 | 0 |
C0 | Power-off Retract Count | 3 | 100 | 100 | 0 |
E1 | LBA's Written | 4768 | 200 | 200 | 0 |
E8 | Available Reserved Space | 0 | 99 | 99 | 10 |
E9 | Media Wearout Indicator | 0 | 99 | 99 | 0 |
B8 | End-to-End Data Integrity Error Count | 0 | 100 | 100 | 99 |
(注)B8は第二世代(G2)から追加されたもの。
以前に酷使したX25-Mは現在以下のとおり。E1、E9、E8は変わってないが、いつの間にか05が1になっている。
E1の書き込み量と、E8の予備領域はまあ分かるし、しきい値からすれば余裕がありそうだが、E9の「Media Wearout Indicator」は口頭の説明でもよく分からなかった。ついでに05との関係も気になるところ。
その辺を含めて、細かい見方については然るべきときが来れば説明するとのことなので、今後に期待。
ちなみに、プレゼンテーションの最後はSSD事業部の人によるビデオで、
- SSDを熱い砂漠上で
バイク車で轢く - SSDを投擲する
- SSDをジェットエンジンのドラッグカーの噴射で吹き飛ばす
[追記1]
ひよひよさんがCrystalDiskInfoで早速、対応されている(CrystalDiskInfo 3.0.0 RC5)。
和訳は、難しい。
[追記2]
Intel自身がまともな和訳を付けてくれるのが一番なので、以下はIntelへの駄目元のメッセージ。
「Intel日本の方、まともな和訳を付けてくださーい。Matrix Storage Consoleの「生成」なんて恥ずかしい訳にならないようにお願いしまーす!(というか、Matrix Storage Consoleの方も直した方がいいですよ)」
(参考)Intel Matrix Storage Consoleの「生成」問題
SATAの転送モードが現在どうなっているかを示す部分に、日本語では「生成」という単語が出てくるが、何かの用語かと思いきや、英語の「Generation」の誤訳である問題。
- 150MB/s =「Generation 1」(意味的に近いのは第一世代)→「生成 1」
- 300MB/s =「Generation 2」(同じく第二世代)→「生成 2」
この和訳を作成した人の問題もさることながら、それがそのままリリースされ、現在に至るも修正されていないことが(上は2009年9月時点の最新の8.9.0.1023)Intel社内のチェック体制に不安を抱かせるものとなっている。
なお、どうしても気になる場合は、PlugInSATA_JPN.dll中のリソースを書き換えてしまう方法がある。
[追記3]
SATAの転送モードは、Intel Rapid Storage Technology 10.1.0.1008では「1.5 Gb/秒」、「3.0 Gb/秒」といった転送速度で示されるようになった。
2009/09/07
新型ThinkPad USBキーボード
久々に出た新型のThinkPad USB Keyboard with TrackPoint(ThinkPad USBトラックポイントキーボード)が到着。英語版(FRU: 55Y9003)。基本情報はLenovo米国のAnnouncement Letterに、背景についてはDesign Mattersに説明がある(The Keyboard You Helped Design)。
X61sに接続した状態。キーボード自体は新配列のT400sとほとんど同じ。最近のThinkPadと同じく、横のエッジが立った、平たくすっきりした造形。
新型(右)のフットプリント(314mm×222mm)は旧型(左)とほとんど同じだが、パームレスト部分がすっきりしている分、少し大きめに見える。
裏面も旧型(左)より新型(右)の方がすっきりしている。新型にはUSBハブがない分、USBケーブルの収納スペースが広い。ケーブル長も旧型の1mに対して新型は1.5mと、長くなっている。
新型(上)には旧型(下)のようなスライドパッドはないので、そのクリックボタン部分の張り出しもないが、パームレスト先端が少し薄く長くなっている。上2列はキーが平たく、わずかに高くなっているのが分かる。
旧型(左の下)の凝った脚に対して新型(左の上)の脚はシンプルだが、ラバーコートされている。高さは脚を立てない状態で19mm、立てた状態で37mm。表面仕上げは旧型(右の下)は黒でも少し青みがかっているが、新型(右の上)はThinkPadの筐体と同じつや消し黒。
[追記]
分解されたMacoteauさんによれば(トラックポイントキーボードを分解、トラックポイントキーボードを分解 #2)、本当にT400sのキーボードをUSBに接続できるようにしたものと判明(ベンダーはNMBらしい)。電源ボタンのパターンまであるとは。
分解にはラベルの下の隠しネジを外す必要があるとのこと。
ドライバを入れるとマウスのプロパティにUSB TrackPointとしてタブが現れるので、TrackPointの設定が可能。このドライバはWindows 7にも対応と明記されている。
特殊キーはT400sに合わせてあり、Announcement Letterによれば3桁以前のレガシーなThinkPadでは機能しないとされているものが多い。一方、レガシーなX60s/X61s上のXP SP3(システム制御ドライバーをインストール済み)で試したところ、T400s特有のマイクミュートとFn+F6のVoIPキー、NumLk以外は機能したので、まず問題なく使える。
ブラウザキー(Page Forward Key、Page Back Key)については別エントリで無効化。
[全体に関する追記]
オンラインマニュアルには以下の記述がある(P15)。
ということは、Announcement Letterでは保険をかけていたということか。
[NumLkに関する追記の修正]
NumLkの動作はむしろ正常であることに気づいた。というのも、外部キーボードのNumLkとの関係については、本体のBIOSに設定があるので。「Config」から「Keyboard/Mouse」に入ると「ThinkPad NumLock」という項目がある。
この設定を「Synchronized」にすると、USBキーボードと本体のキーボードのNumLk状態は完全に同期する。この場合、USBキーボードのNumLk状態を示すオンスクリーン表示と、本体のNumLkのインジケータも同期する。
逆に「Independent」にすると(これまではこの設定になっていた)、このヘルプによれば、本体からNumLk入力した後の外部キーボードの状態は以下のようになる。
ただ、本体からのNumLk入力ではUSBキーボードのオンスクリーン表示は出ないので、その状態がわかりにくくはある。
キーボードは個々人の嗜好と、部品の個体差があるので一概に言うのは難しいが、
個人的にしいて言えば、中を開けてキーボードの底面と下の筐体を両面テープで固定すればばたつきを完全に抑えられると思うが、上半分の固定に爪が使われていて開けにくい+ラベルの下にあるネジを外す必要があるのが難点か。
Announcement Letterには寸法について以下の記述がある。
重量は実測値で446gなので、概ねこのとおりだが、「without palm rest」については、パームレストは脱着式ではないし、パームレストが付いてこの重量なので、謎。
それから「ThinkPad USB Keyboard with TrackPoint」という名称について、ThinkPad用であること(特殊キーは)、USB接続であること、TrackPointがあることは旧型も変わらないので、意味的に旧型と区別できていない。ということを考えると、もっと特別な名前を付けるか、Logicoolの周辺機器のように記号番号を付けた方がいいと思う。
1. 各部
X61sに接続した状態。キーボード自体は新配列のT400sとほとんど同じ。最近のThinkPadと同じく、横のエッジが立った、平たくすっきりした造形。
新型(右)のフットプリント(314mm×222mm)は旧型(左)とほとんど同じだが、パームレスト部分がすっきりしている分、少し大きめに見える。
裏面も旧型(左)より新型(右)の方がすっきりしている。新型にはUSBハブがない分、USBケーブルの収納スペースが広い。ケーブル長も旧型の1mに対して新型は1.5mと、長くなっている。
新型(上)には旧型(下)のようなスライドパッドはないので、そのクリックボタン部分の張り出しもないが、パームレスト先端が少し薄く長くなっている。上2列はキーが平たく、わずかに高くなっているのが分かる。
旧型(左の下)の凝った脚に対して新型(左の上)の脚はシンプルだが、ラバーコートされている。高さは脚を立てない状態で19mm、立てた状態で37mm。表面仕上げは旧型(右の下)は黒でも少し青みがかっているが、新型(右の上)はThinkPadの筐体と同じつや消し黒。
[追記]
分解されたMacoteauさんによれば(トラックポイントキーボードを分解、トラックポイントキーボードを分解 #2)、本当にT400sのキーボードをUSBに接続できるようにしたものと判明(ベンダーはNMBらしい)。電源ボタンのパターンまであるとは。
分解にはラベルの下の隠しネジを外す必要があるとのこと。
2. 動作
ドライバを入れるとマウスのプロパティにUSB TrackPointとしてタブが現れるので、TrackPointの設定が可能。このドライバはWindows 7にも対応と明記されている。
特殊キーはT400sに合わせてあり、Announcement Letterによれば3桁以前のレガシーなThinkPadでは機能しないとされているものが多い。一方、レガシーなX60s/X61s上のXP SP3(システム制御ドライバーをインストール済み)で試したところ、T400s特有のマイクミュートとFn+F6のVoIPキー
Announcement Letterの記述 | 実際の 動作 | ||
---|---|---|---|
ThinPad Hot Key Function | Key Operation | System Models: All other legacy systems | |
Lock your Computer | Fn+F2 | No | OK |
Manage battery & power | Fn+F3 | No | OK |
Enter sleep (standby) | Fn+F4 | Yes | OK |
Manage wireless settings | Fn+F5 | No | OK |
Change camera & microphone settings | Fn+F6 | No | NO |
Change display settings | Fn+F7 | No | OK |
Change input device settings | Fn+F8 | Yes | OK |
EasyEject Utility | Fn+F9 | No | OK |
Enter hibernation | Fn+F12 | No | OK |
Magnify screen contents | Fn+Space | No | OK |
Increase display brightness | Fn+Home | No | OK |
Decrease display brightness | Fn+End | No | OK |
Launch Lenovo ThinkVantage Productivity Center | Blue button (ThinkVantage) | Yes | OK |
Increase speaker volume | Volume Up key | No | OK |
Decrease speaker volume | Volume Down Key | No | OK |
Speaker Mute | Mute Key | No | OK |
Mircophone Mute | Mute Mic | No | NO |
NumLK on/off | Fn+NumLk | No | |
Page Forward | Page Forward Key | No | OK |
Page Backward | Page Back Key | No | OK |
TrackPoint function | Yes | OK |
ブラウザキー(Page Forward Key、Page Back Key)については別エントリで無効化。
[全体に関する追記]
オンラインマニュアルには以下の記述がある(P15)。
Fnファンクション・キーの組み合わせは、SLシリーズを除くすべてのThinkPadで機能します。Fnファンクション・キーの組み合わせのほとんどは、SLシリーズ、Lenovoデスクトップ・コンピューター、または他の製造メーカーのコンピューターでは機能しません。
ということは、Announcement Letterでは保険をかけていたということか。
[NumLkに関する追記の修正]
NumLkの動作はむしろ正常であることに気づいた。というのも、外部キーボードのNumLkとの関係については、本体のBIOSに設定があるので。「Config」から「Keyboard/Mouse」に入ると「ThinkPad NumLock」という項目がある。
この設定を「Synchronized」にすると、USBキーボードと本体のキーボードのNumLk状態は完全に同期する。この場合、USBキーボードのNumLk状態を示すオンスクリーン表示と、本体のNumLkのインジケータも同期する。
逆に「Independent」にすると(これまではこの設定になっていた)、このヘルプによれば、本体からNumLk入力した後の外部キーボードの状態は以下のようになる。
- 本体がOnになっている状態では、「ThinkPad Numlock can be disabled independently of the Numlock state on an external keyboard.」ということで、本体からNumLk入力しても外部キーボードはOffにならない。
- 本体がOffになっている状態では、「If ThinkPad Numlock is enabled, the external keyboard NumLk will also be enabled.」ということで、本体からNumLk入力すると外部キーボードもOnになる。
入力前の状態 | 本体 | USBキーボード | ||
---|---|---|---|---|
Off | On | Off | On | |
本体からNumLk入力後 | OK (On) | OK (Off) | OK (On) | NO (On) |
USBキーボードからNumLk入力後 | NO (Off) | OK (Off) | OK (On) | OK (Off) |
ただ、本体からのNumLk入力ではUSBキーボードのオンスクリーン表示は出ないので、その状態がわかりにくくはある。
3. 評価
キーボードは個々人の嗜好と、部品の個体差があるので一概に言うのは難しいが、
- キータッチは少し重めのしっかりしたもので、かなり良い。個人的には600のキーボードを彷彿とさせる。旧型とは段違いと言っていい。
- ただし、特に脚を立てた状態では、キーボード自体のわずかなばたつきも感じられる。この原因には、構造的にキーボードが筐体にネジで固定されてないこと、プラスチック筐体の柔さがあると思う。この点ではThinkPadのキーボードには及ばない(この点の出来はThinkPadでも良し悪しがあるが)。
- TrackPointのクリックボタンは軽く、カチカチという音はしない。ただし、キーボードの底面が筐体に当たる音がする。
- すっきりしたデザインと、つや消し黒の質感の高い仕上げで、キー間の隙間が狭いキーボードも相俟って、外観的には文句はない。
個人的にしいて言えば、中を開けてキーボードの底面と下の筐体を両面テープで固定すればばたつきを完全に抑えられると思うが、上半分の固定に爪が使われていて開けにくい+ラベルの下にあるネジを外す必要があるのが難点か。
4. その他
Announcement Letterには寸法について以下の記述がある。
Physical specifications -- Unpackaged
- Approximate weight: 0.97 lb (without palm rest) 440 g
- Approximate height: 312.8 mm (12 in)
- Approximate depth: 19 mm (0.75 in)
- Approximate width: 220 mm (8.67 in)
重量は実測値で446gなので、概ねこのとおりだが、「without palm rest」については、パームレストは脱着式ではないし、パームレストが付いてこの重量なので、謎。
それから「ThinkPad USB Keyboard with TrackPoint」という名称について、ThinkPad用であること(特殊キーは)、USB接続であること、TrackPointがあることは旧型も変わらないので、意味的に旧型と区別できていない。ということを考えると、もっと特別な名前を付けるか、Logicoolの周辺機器のように記号番号を付けた方がいいと思う。