1. 修理上がり
先日、X230をLCD関係の修理に出したら、キーボードとパームレストにも問題が見つかったとのことで、一緒に交換されて帰ってきたのは有り難いのだけど……。
一見どこもおかしいところはないように見えて、自分でも「何か違う気がするけど、まあいいか」と思ってやり過ごしたのだけど、X230を持っている人なら気付くかもしれない。
そう、これパームレスト(キーボードから手前の筐体)がX220用のものになっている。X230のものはキーボードに向かって下がる部分が直線的に折れた平面になっているが、これはなだらかな曲面になっている。
そのくせこれだけ見ると特別おかしくは見えないのは、元々X230が機構的にはX220のキーボードを変更したマイナーチェンジモデルだから。細かく見れば、クリックボタンの横になる部分に、X220のクリックボタンにある曲線のラインにつながる微かな曲線が入っているが、ぱっと見には分からない。
で、そうと分かった後も、機能的には問題ないし、「これはこれで面白いから、このままでいいか」と思っていた。初めのうちは。
そのうちキーボードの右端手前と左端手前が妙にぺこぺこ上下に動くことに気付いて、キーボードを取り付け直したり、果ては両面テープで留めたりしたりして、これはどうもおかしいと思い始めて分解写真を見比べているうちに気付いた。X230とX220のパームレストには互換性があるように見えて、そうではないことを。
2. パームレストの違い
結局、本来のX230用のパームレストを送ってもらって自分で交換することにしたので、そのときに比較してみた。上がX220用で、下がX230用。
注目すべきはキーボードとパームレストの境目になる部分にある穴で、(角の部分を除いて)左からキーボードの爪が嵌まる穴、キーボードにかかった液体の排水口、爪の穴、クリックボタン部分を挟んで、爪の穴、排水口、爪の穴がある(爪の穴は計4箇所)。この構成と位置は同じだが、よく見ると穴の大きさが違う。
排水口はほぼ同じ大きさだが、爪の穴は上のX220用は縦幅が広いのに対して、下のX230用は縦幅が狭い。
このこと自体はX230が出た当初から言われていて、X230にX220以前のキーボードを装着しようとしたときの物理的障害になっている。
X220以前のキーボードは金属板の縁が上に立ち上がった浅いバスタブ状になっていて(排水口に面した部分だけ開いている)、爪部分も同じなので高さがある。これに対してX230のキーボードはバスタブを止めたので、金属板がそのまま真っ直ぐ爪になっている。
したがって、X230用のパームレストの爪の穴は縦幅の狭い穴でよく、これにX220以前のキーボードの爪を嵌めるには穴を上に削って大きくする必要がある(あえてその方法を選ぶなら)。逆に、X220用のパームレストの爪の穴にはX230のキーボードの爪はそのまま余裕で通る。
それ以上深く意識してなかったが、そこが実は落とし穴で、キーボードの固定ネジは中央部の2箇所しかないので、左右の端は爪だけで固定される形になっている。キーボードを取り付けるときは初めに奥に差し込んで奥側の金属板をキーボードベゼルに引っ掛けた後、手前に引いて手前側の爪をパームレストに嵌める構造になっている。このとき奥側に引っ掛けた部分でキーボードがわずかに反るテンションが掛かっているので、手前側の爪もぴったり嵌まっていれば強固に固定されるが、ここに遊びがあると手前側が浮き気味になって、タイピング時にぺこぺこ動いてしまう。
したがって、もしX230にX220のパームレストを流用する必要が出たときは、キーボードをきっちり固定するためには爪の穴を小さくする工作が必要、という話なのだが、この情報がいつか誰かの役に立つことがあるのかどうか。
3. おまけ
キーボードの爪がバスタブ状でなくなったことで液体が爪の穴から浸入しやすくなったのでは、と思うかもしれないが、そこは抜かりなかった。パームレストを裏から見ると、
上のX220用では爪の穴がそのまま抜けているのに対して、下のX230用では爪の穴の奥がシールで閉囲されていて、液体がそのまま中に入らないようになっている。
とはいえ、この排水機構自体、とくに密閉されているわけでもなく隙間も多いので、気休め程度ではあるけど。
1 件のコメント:
私の小ネタ領域に格納されていた、流用可情報が上書きされました。
ちょっとしょんぼりしつつお礼を!
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