2012/06/17

Windows 8はRetinaレディか

MacBook ProにRetinaモデルが出たことで、PCでもRetina(に相当する高解像度)が現実のものとなってきたが、Windows 8はそれにレディなのかをチェック。

1. Windows 8 RP


MacBook Proが発表された日に早速BootCampでWindows 8 RP(Release Preview)をインストールした記事(Retina MacBook ProにWindows 8インストール成功、しかも簡単だった)が出ていたが、その早業には敬意を表する一方、「細かすぎてウインドーの内容は全然見えない。ごみ箱が極小サイズ(笑)。」の文には「バカっぽい」と思った。WindowsでもMicrosoft、あるいは開発者は高解像度への準備を進めてきているわけで、それを試してもらわないと。

というわけで、Windows 8を高DPI、Appleのやり方にならって200%に設定するとどうなるかを見てみた。解像度は1680×1050なので、やや窮屈だが。

大体は問題ないが、おかしい箇所もある。

標準のカーソルと、新しいエクスプローラの、上の階層に移る矢印がおかしい。縦横比が微妙に狂って輪郭が崩れた感じがする。

その他、ざっとOSと標準アプリを見て回ったが、とくにおかしい箇所は見当たらなかったので、あと少し作り込みをがんばってくれという感じ。

それはそれとして、100%のときとは各パーツの余白や位置関係が違っていたり(少々詰まり気味)、輪郭線が相対的に細くなったりして、気にならないでもなかったが、そこは慣れの問題か……。

[追記1]

Microsoft Answersに報告したところ、フィードバックとして受けてもらった(Win8RPで高DPIに設定するとマウスカーソルの輪郭とエクスプローラにある矢印の輪郭が汚くなる)。

[追記2]

結局RTMでも修正されてなかったので、代わりになるカーソルを作成してみた

2. アプリ


実のところ、問題はサードパーティのアプリやハードウェア関係のユーティリティにある気がする。例えばGoogle Chrome(19.0.1084.56)をインストールしたままの状態。

ぼやけている。というより、DPI仮想化が効いている。これは一旦100%(96DPI)で描画した後で引き延ばして表示する機能で、高解像度に対応していないアプリでも最低限表示できるようにするものだが、自動的にかかったりかからなかったりするので(標準アプリも含めて)、法則性がよく分からない。


この状態だと高解像度の意味がないので、明示的にDPI仮想化を無効にするにはその実行ファイルのプロパティで「高DPI設定では画面のスケーリングを無効にする」にチェックする。

で、無効にすると、今度はこうなる。

このタブ部分を見ると、テキストは大きくなっているが、タブとツールバーのサイズは元のままでDPIに従って拡大されていない。

まあGoogleのことだから、必要と認めればすぐ修正してくるだろうが。それから、これはサイト側の問題だが、Faviconはどうするのだろう。現在はjpgかpngを使っているサイトが多いと思うが、色々な解像度に対応するにはサイズ別の画像を持てるicoの方が便利ではある。

また、ハードウェア関係としては、ThinkPadではTrackPointのドライバが自動的にインストールされ、マウスのプロパティにそのタブが現れる。

テキストが切れている。これはラスターフォントで指定されていたものが、拡大されたときにベクターフォントに置き換えられたせいで指定されたスペースに収まらなくなるという、古いソフトにありがちな問題。修正は難しくないはずだが、今更修正してくれるのか……。

かようにアプリによるところが大きいが、ユーザーは意識してなくてもアプリにも種類があって(ネイティブ、Windowsフォーム、WPFなどなど、実は複雑)、それによって表示方法も違っていて、最終的には開発者の作り込み度による。

というわけで、実際に試すしかないわけだが……例えばCrystalDiskInfo(5.0.0)はこうなる。

フォントも配置もきれいに整っていて、何もいうことはない。

一応、自分のNAS Herderはどうかというと、こんな感じ。

何ということはなくて、.NETのWindowsフォームアプリなので基本的に実行環境にお任せなのだが、動的に生成しているパーツのサイズや位置はがりがり計算していたりする。アイコンはまだ手抜きなので、小さい画像が拡大されて表示されているが。

ちなみに、Apple StoreでMacBook ProのRetinaモデルを見てきたが、標準アプリの精細さにはすごいものがあったが、Retinaに対応していない(と思う)Microsoft Officeはメニューのフォントがぼわっと引き延ばされてかえって汚くなっていて、あの縦横2倍引き延ばし作戦も万能ではないと思った。

3. まとめ

  1. Windows 8そのものは、少々の点を除けば高DPIへの対応を完了している。

  2. 問題はアプリだが、それは個々のアプリ次第(当たり前)。あえて言えば、ウェブアプリを含めてブラウザの中には関係ないし、古くてメンテナンスされてないソフトを使い続けているという事情でもなければ大きな問題にはならないのではないかと思う。
なお、これはWindows 8でもデスクトップの話で、Metroとは別。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

MSは既存のWin32は諦めて、実質的にWinRTでのみ
HiDPI環境をサポートって考えてるんですかね
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1204/12/news074_2.html
1366/768/1920×1080/2560×1440 の三段階決め打ち、みたいな?

EMO さんのコメント...

3段階決め打ちはMetroについての話で、デスクトップの話とは分けた方がいいと思いますが(両者をシームレスに切り替えられる以上、連動はしてますが)、このMacBook Proで少なくとも2880×1800まで対応してることは実証されたわけですよね。

で、上限がどのくらいかという確定情報は見たことないのですが、RPだとデスクトップのDPIの上限は500%なので、すごく適当な計算をすれば、最小のXGAの5倍、5120×3840は行けるのかもと思ったりします。そんなハードウェアはまだ存在しないですが。

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