2012/08/31

Windows To Goのまとめ

Windows To Goの最終的な姿がWindows 8 RTMとともに明らかになったので、まとめておこうと思う。

1. 条件

使用条件は以下のとおり。狭き門となっている。

1.1. 対象ユーザー

ソフトウェアアシュアランス(SA)プログラムに入った、ボリュームライセンスのユーザー向けのEnterprise版のみ。つまり企業ユーザーの下でその社員が使う場合のみで、個人ユーザーには提供されない。


1.2. ハードウェア

PC本体側の条件はWindows 7かWindows 8の動作条件を満たしていればいいので問題にはならないが、USBメモリというか、USBドライブ側の条件は厳しい。

8月15日現在、MicrosoftがWindows To Goが使えると認定した(certified)USBドライブは、以下の2機種のみ。

いずれも一般的なUSBメモリとは違って、内部的にはSSDにUSBインターフェイスチップを付けてUSB接続にした製品で、ランダムライトが高速なのが特長だが、それ以上に門を狭くしているのはPCに接続した際にリムーバブルディスクではなく、ローカルディスクとして認識されなければならないという点。

RPまでのWindows To Goではリムーバブルディスクの場合はWindows Updateが不可という問題があったが、結局リムーバブルディスクは対象外と整理されたことになる。いずれにせよ、USBメモリでローカルディスクと認識される製品は例外的なので、ほとんどのUSBメモリは対象から外れることになる。

一方、SSDをUSBケースに収めたUSB SSDであるところのUSBドライブでも、ローカルディスクと認識されるものなら可なので(サポート外だが)、その手を厭わなければこの条件をクリアするのは難しくはない。

なお、DataTraveler Ultimateについては、既存のG1のコントローラはJMicron、G2はPhisonと判明しているが、このWindows To Go用のDataTraveler WorkspaceはLSI、つまりSandForceのようなので、中身は別物らしい。

[追記1] DataTraveler Workspaceのデモ

IDFでKingstonからDataTraveler Workspaceのデモがあった。コントローラはやはりSandForce。筐体はUltimateからデザインが変更されているが、丸く寸胴な基本形状は変わっていない。



[追記2] DataTraveler Workspaceの中身

The SSD ReviewによるDataTraveler Workspaceの記事(Kingston Data Traveler Workspace Windows To Go Flash Drive Review)によると、DataTraveler Ultimateと同様にPCBを2枚重ねにした構造で、コントローラはSandForceのSF-2241。チップと筐体との間に熱伝導シートがべったり挟まれている当たり、発熱はそれなりにありそうではある。性能的には期待どおりといったところ。

[追記3] Express RC8との比較

同じThe SSD ReviewによるExpress RC8の記事(Super Talent USB3 Express RC8 100GB Flash Drive Review)によると、コントローラはSF-1222で古いにもかかわらず、同じ環境でのCrystalDiskMarkなどベンチマークの結果はDataTraveler Workspaceより上だったりして、少し意外なことになっている。

2. Express RC8

この2機種のうちDataTraveler Ultimateは限定販売なので、普通に入手できるのはExpress RC8のみとなる。このExpress RC8は1年ぐらい前から存在する製品だが、流通が限られていて影の薄い存在だったところで、いきなり抜擢された感がある。

ということで、この機会に25GBモデルを買ってみた。

SunDiskのCruzer Titanium、Green HouseのPicoDrive F3と並べてみたところ。

厚みは同じぐらいだが、面積は二回りは大きい。日本での取扱元となるらしいアーキサイトのページを見ると、この中にSandForceのSF-1222が入っている。

初接続時にCrystalDiskInfo(5.0.3)で見たところ。使用歴は検査時のものか。

ThinkPad X61sのUSB2.0ポートに差した場合の性能をCrystalDiskMark(3.0.2 Beta)で確認した。テストサイズは1000MB。シーケンシャルアクセスはPC側にボトルネックがあるので、注目するのはランダムアクセス。

やはりランダムライトは別世界の速さ。比較のためにMSD6000をUSBケースに入れた場合が以下。

MSD6000でもWindows To Goは何の支障もなく動作することが分かっているので、Express RC8の性能は十分以上ということが分かる。

性能とは関係ないが、例によって青色LEDが眩しいのは何だかな。

[追記] USB3.0との関係

自分がUSB2.0ポートで試してきた経験から断言するが、Windows To Goの動作の軽さとUSB2.0かUSB3.0かは関係ない。関係があるのは主にランダムライトである。

ここで問題はランダムライトの高速なUSBメモリがごく限られていることで、世代が進むにつれてランダムライトの激しく遅い製品が主流になってきているらしい。


で、メーカーはUSB3.0のシーケンシャルアクセスの速度を前面に出し、ランダムライトにはあえて触れないようにしているようなので、何も考えずにUSBメモリを買ってきたらランダムライトの激しく遅い製品だった、ということが普通に起こると思われるので、(認識の問題とは別に)注意が必要。

3. Windows To Go ワークスペースの作成

Windows 8 RTM評価版はEnterprise版で、Windows To Goの作成ツールがコントロールパネルにあるので、RPまでのような手順を踏まずとも簡単にWindows To GoのUSBドライブが作成できる。


Express RC8、MSD6000、PicoDrive F3を差した状態(すべてUSB2.0ポート)で、先に認識のされ方を確認しておくと、Express RC8(USB3.0_RC8と表示)はローカルディスクの認識で間違いはない。

この状態で作成ツールを起動すると、自動的に検索されて表示される。

Express RC8が選択された状態ではリストの下に何も出てないが、MSD6000(MSD-SATA6025と表示)に移動すると、「このドライブを使用すると、Windowsのパフォーマンスに影響する可能性があります。最適な結果を得るには、Windows To Go対応のUSB3.0ドライブを使用してください。」と出る。

検索した際に何らかの確認をした結果だと思うが、検索はすぐに終わったし、何を確認したのかは分からない(実は上の参考ではExpress RC8の50GBモデルを使っているが、これと同じメッセージが出ている)。この状態でも問題なく作成はできる。

さらに下のPicoDrive F3に移動すると、今度は「これはリムーバブルドライブで、Windows To Goに対応していません。必要なハードウェア仕様を満たすデバイスを選択してください。」となる。こうなると先には進めない。

この後はイメージファイルを選択して(インストール用のISOファイルをマウントし、そのドライブを検索先に指定した)進めば、何事もなく作成は終了する。

結果は、まあ当然のごとく快適に動作するWindows To GoのUSBドライブが出来た。使用容量は約10GBだったので(イメージファイル次第で変わる)、25GBの容量で問題はなかった。

4. 終わりに

割と便利に使えそうな機能なので、昨年来追いかけてきたが、条件的に個人ユーザーには縁遠いものになってしまったのは勿体ないと思う。が、元からライセンス的には扱いが難しそうだったので、そこは何とも言えない。

まあ自分のExpress RC8はOS起動用として十分な性能があることが分かったので、RTM評価版の期限が終わったら他のOSで使ってみようかと思う。

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