2011/03/28

バッテリー最強構成

一日を通したピークシフトを考えた場合、大容量バッテリーだけでは持続時間がやや物足りないので、拡張ライフバッテリー(底面に貼り付けるもの)を購入した。これでThinkPad X6x用のバッテリーは全種類を揃えたことになる。

1. X6x用バッテリー比較

12時の位置から時計回りに、拡張ライフバッテリー、標準の4セル拡張容量バッテリー、8セル大容量バッテリー、4セルスリムラインバッテリー。
Batteries for ThinkPad X6x

この拡張ライフバッテリー、表面積はやたらでかいものの、持ってみると予想を裏切る軽さ。ずっしりした大容量バッテリーと比べると歴然たる差で、中は空いているのが分かる。

それぞれのバッテリー詳細情報は以下のとおり(スリムラインバッテリーは4本あったうちの一番新しいもの)。

4セルスリムラインバッテリー

4セル拡張容量バッテリー

8セル大容量バッテリー

拡張ライフバッテリー

スペックをまとめると以下のようになる。
セルFRU重量
(g)
定格
容量
(Wh)
比率
(注2)
持続
時間
(注3)
満充電
容量
(Wh)
サイクル
カウント
4セル
スリムライン
バッテリー
角形×442T462918928.800.771.623.2955
4セル
拡張容量
バッテリー
シリンド
リカル×4
42T4570240
(注1)
37.441.00 2.137.4423
8セル
大容量
バッテリー
シリンド
リカル×8
42T4632450
(注1)
74.882.004.275.968
拡張ライフ
バッテリー
不明
(角形×4?)
40Y790436528.080.751.628.081
(注1)スペーサーを含む。
(注2)拡張容量バッテリーの定格容量を1とした場合の比率。
(注3)大容量バッテリーの持続時間を4.2とし、定格容量の比率から計算したもの。
  • バッテリ持続時間は使い方によって大きく変わるが、このX61s(CPU: Core2Duo L7700 1.8GHz、メモリ: 4GB、Windows 7 64bit)では、自分の使い方では大容量バッテリーで4時間強といったところ。

    省電力マネージャーの計算ではこれぐらい。ただし、これはふらふら変わるので、たいして当てにはならない。

    これでLenovoのバッテリー時間対応表の半分ぐらいになる。

  • このスリムラインバッテリーはあまり優しい使い方をしてなかったので、サイクルカウントの割に満充電容量の落ちが大きい。

  • 大容量バッテリーの定格容量は拡張容量バッテリーの丁度倍で、セル数を反映している。

  • この拡張ライフバッテリーは、新品だが、製造日は一番古い。つまり蔵出し品で、そんなに生産されなかったらしい。定格容量はスリムラインバッテリーよりやや小さい程度なので、たぶん同じ角形セル×4の構成で、セル自体の型が少し古いのではないかと思う。
拡張ライフバッテリーはもっと容量があるものだと勝手に思い込んでいたので、スリムラインバッテリーと同程度というのは拍子抜けではある。

それはともかく、大容量バッテリー+拡張ライフバッテリーというX6xのバッテリー最強構成でも持続時間は6時間ぐらいなので、一日の日中をずっとバッテリ駆動させるのは無理で、やはりスポット的にバッテリ駆動を組み込んだピークシフトプランにせざるを得ないと分かった。

2. 拡張ライフバッテリーを追加すると

拡張ライフバッテリーは、省電力マネージャーに出るとおりセカンドバッテリーという扱いになり、これに対して普通に本体の後ろに付くバッテリーはメインバッテリーとなる。これらの違いは、放電と充電の両面でメインバッテリーが優先されるということにある。

まず放電のときは、セカンドバッテリーの方から使われ、その後にメインバッテリーが使われる。これにより、使い終わったセカンドバッテリーを取り外して軽くすることができる。つまり、航空機のドロップタンクと機内燃料タンクの関係と同じ。

最初はメインバッテリー(これは大容量バッテリー)は使われず、

セカンドバッテリー(拡張ライフバッテリー)の方から使われ始める。

次に充電のときは、メインバッテリーの方から充電され、それが終わってからセカンドバッテリーが充電される。

最初にメインバッテリーの充電が始まるが、

セカンドバッテリーの方は放置。

メインバッテリーが満充電になってから、

セカンドバッテリーの充電が始まる。

ということで、拡張ライフバッテリーを付けたときに充電が同時に行われると消費電力がどうなるのか気になっていたが、充電は(放電も)片方ずつ行われるので、そういう問題は起こらない。

3. ワットモニターでチェック

サンワサプライのワットモニターを使ってX61sの消費電力を確認してみた。


しばらく計測していて気づいたのは、バッテリ充電中は、その空き容量によってバッテリに流れる電流(A)が変わり、それに伴って消費電力(W)も変わること。また、バッテリによる差も結構ある。
消費電力(W)
充電して
いない
充電中
バッテリ空き容量(注1)
50%20%10%5%
AC駆動中
(LCDオン)
(注2)
4セル拡張容量バッテリー17~2153412523
8セル大容量バッテリー60483425
拡張ライフバッテリー49393025
AC駆動中(LCDオフ、外部ディスプレイ使用)15~18
ピークシフト機能によるバッテリ駆動中0.4
電源オフ
(待機中)
WOLオフ0.7
WOLオン1.1
(注1)小刻みに変動するので、大体これぐらいを中心に動くという数字。
(注2)ディスプレイ・ブライトネスを15段階中の6に設定。
  • 通常のAC駆動中は低消費電力のノートPCでも、バッテリ充電中は消費電力が跳ね上がる。

  • 充電中は、放電したてで空き容量が大きいと消費電力も大きく、充電が進んで空き容量が小さくなるにつれ消費電力も小さくなっていく(充電速度も遅くなって……)。
  • 容量の大きいバッテリーほど、充電中の消費電力も大きい。大容量バッテリーのときなどはACアダプターの容量(65W)の上限に近い。

  • ピークシフト機能によるバッテリ駆動中にも、わずかながら電力の消費はある。

  • LCDのオン/オフによる差はそれほど大きくない。
  • 待機中はWOLオンの方が消費電力が高い。これは理解できる。
これからピークシフト実行時の消費電力のイメージを描いてみると、大容量バッテリーの場合はこんな感じ。

さらに、大容量バッテリー+拡張ライフバッテリーの最強構成の場合は、大容量バッテリーの充電終了後に拡張ライフバッテリーの充電が行われるので、充電の山が2回来ることになる。

いずれも一見して分かるとおり、ピークシフト実行中に通常のAC駆動分を節電する代償として、バッテリ充電時にはその倍以上の電力を消費するわけで、充電を始めるタイミングはよく考える必要がある

ついでに、手近な機器も計測してみた。
消費電力(W)
LCDディスプレイ
(Eizo S2110W)
ブライトネス5%40
ブライトネス50%59
ブライトネス100%66
未入力時1.3
電源オフ(待機中)0.6
PCスピーカー(Bose MediaMate II)4.5~5
ReadyNAS Ultra 2
(5K500.B-500×2)
アイドル時19~20
使用時20~22
スピンダウン時17.8
電源オフ(待機中、WOLオン)1
電源オフ(待機中、WOLオフ)2.8
ReadyNAS Duo
(5400.5-320×2)
アイドル時12~13
使用時13~15
スピンダウン時10.6
電源オフ(待機中)0.4
プリンター
(Canon MP630)
アイドル時5
電源オフ(待機中)0.4
ハブ(Buffalo LSW-GT-5W)6.5
ADSLルーター(Aterm WD701CV)5.8
  • LCDディスプレイの消費電力が馬鹿にならない。X61sに接続して使ってきたが、本体の倍も消費していたとは……。
  • BoseのPCスピーカーには電源スイッチがなく、少し気になっていたが、入力がなくても音量に関係なく消費していると分かった。よって、途中に電源スイッチを挟むことにした。

  • ReadyNAS Ultra 2は、ノートPC並みに消費することが分かった。Atom機だからか。待機中はなぜかWOLオフの方が数字は高い。普通は逆だと思うが、変なことを見つけてしまった。
  • ReadyNAS Duoは、さすがというべきなのか、Ultra 2より低消費電力。

  • ハブも新しい省電力のものに換えたいところ。数字はたいしたことないが、常時通電しているものだけに。
  • ADSLルーターも数字は低くないが、レンタル品だし、これを切るわけにもいかず。
4. 拡張ライフバッテリーを見る

拡張ライフバッテリーについてはそんなに情報が出てないので、少しだけ紹介。

大容量バッテリーと一緒にX6x本体に付けたときと同じ状態に重ねてみると、こんな位置関係になる。
Batteries for ThinkPad X6x

本体との接続にはウルトラベースなどとのドッキング用コネクタを使用するが、他のバッテリーと同じ端子も付いている。たぶんバッテリーチャージャー用。
Batteries for ThinkPad X6x

スリムラインバッテリーと一緒にX61sに付けたところ。隙間が空いて見えるが、中で足が突いているのか、とくにがたつきはない。
ThinkPad X61s with Extended Life Battery

以下、大容量バッテリーと一緒に付けた状態。
ThinkPad X61s with Extended Life Battery
ThinkPad X61s with Extended Life Battery
ThinkPad X61s with Extended Life Battery
ThinkPad X61s with Extended Life Battery
ThinkPad X61s with Extended Life Battery
ThinkPad X61s with Extended Life Battery

裏側から見るとかなりぼてっとした感じになるが、表側から見ると意外とすっきりまとまる。日常的に付けていても違和感はなさそう。

2011/03/26

ヤシマ作戦@ThinkPad(補足)

ThinkPadのピークシフト機能について補足を少し書きます。

1. Lenovoからの呼びかけ

節電に関して、Lenovoからピークシフト機能の活用を呼びかけています。

ただ、どの機種であればピークシフト機能が使えるはずなのか、という点ははっきりしません。2006年発売のX60sでも使えているので、たいていの機種で行けそうな気はしますが。

2. メディアでのリバイバル

これまで幾つかの記事でピークシフト機能の利用に言及がありました。これでピークシフト機能の存在が呼び覚まされたと思います。
東京電力が需給状況を毎時間ごとに知らせるようになったので、これとピークシフト機能を連動させることが考えられます。ただ、必要なのは限られたバッテリ駆動時間をどの時間帯に振り向けるべきかという問題への解なので、リアルタイムで連動させるいいアイデアというのはすぐに思いつきません。

リアルタイムでなければ、例えば、毎晩、その日の(または前の週の同じ曜日の)需給状況を自動的に取り込んで翌日のピークシフトプランを作成し、それを省電力マネージャーにインポートさせる、とかでしょうか。いずれにせよ、何かすばらしいメソッドが出てくるのを期待してます。

3. 一日を通したピークシフト

とりあえず夕方18~19時の時間帯をターゲットに考えてましたが、東京電力の需給状況を見ると朝9~10時にもピークがあり、また、今年の夏も電力不足となることが避けられず、そのときは14時前後がピークのようです。

ということで、理想的なピークシフトのためには、夕方だけでなく一日を通してどの時間帯にバッテリ駆動時間を振り向けるかを考える必要が出てきます。基本的な方針としては、
  • バッテリ充電は夜間(22時~翌日8時ぐらい)に行う。
  • 日中は基本的にAC駆動で、ピーク時にバッテリ駆動に切り替える。
  • 日中のバッテリ充電の継ぎ足しはなるべく避ける(その方がバッテリにも優しい)。
具体的には、現在の朝と夕方のピークに対応する場合、ピークシフトのスケジュールを2回組むことになります。
  1. 朝の終了時間(=バッテリ充電禁止を解く時間)は、ピークシフトのスケジュールが重なるとエラーになるので、夕方の開始時間の1分前にしてある。
  2. 夕方のバッテリ駆動の開始時間。
  3. 日中のバッテリ充電禁止を解き、充電を開始させる時間。
1回目のピークシフトのスケジュール。
  1. 週末は大丈夫そうなので、平日だけを指定できるよう「毎週」にした。
  2. 日曜日と土曜日を外してチェックする。
  3. 朝のバッテリ駆動の開始時間。
  4. バッテリ駆動を1時間30分として、その終了時間。
  5. 日中にバッテリ充電をさせないため、充電禁止を解く時間(朝のピークシフト終了時間)を夕方の開始時間まで伸ばす。ただし、スケジュールが重なるとエラーになるので、夕方の開始時間の1分前にした。この1分間は充電が行われるが、仕方がない。
2回目のピークシフトのスケジュール。
  1. 朝と揃える。
  2. 朝と揃える。
  3. 夕方のバッテリ駆動の開始時間。
  4. バッテリ駆動を2時間30分として(朝と合わせて4時間)、その終了時間。
  5. バッテリ充電禁止を解く時間。この時点で夜間のバッテリ充電が始まる。
こんな感じで、一日の間に複数のバッテリ駆動時間を入れたピークシフトプランにできます。

なお、ピークシフトの間に、バッテリ駆動中か、AC駆動中かつバッテリ充電禁止中かは、コンセントのアイコンにカーソルを合わせたときのポップアップで確認できます。バッテリ駆動中の場合は「現在放電しています」と出ます。

これが、AC駆動中かつバッテリ充電禁止中の場合は「現在充電禁止になっています」と出ます。

とりあえず。

2011/03/19

ヤシマ作戦@ThinkPad

東日本大震災を受けての東京電力と東北電力の計画停電に関して、節電(とくにピーク時の)が求められてますが、この地域のThinkPadユーザーの方々に、その一つとしてThinkPadの「ピークシフト機能」を活用することを提案します。

勿論、ノートPCの消費電力など、暖房器具や調理器具に比べればかわいいものですが、たとえ1台1台の節電によるメリットはたいしたことなくても、台数が増えれば意味がなくもないと思いますし、逆にデメリットの方は多少バッテリ寿命が縮まる以外にはないので、十分やる価値はあると思います。

また、最近はノートPCをあまり持ち歩かなくなって、バッテリ寿命が温存されているThinkPadが多いのではないかと思います。この非常時に際して、その力を発揮させてみてはどうでしょうか。

1. 省電力マネージャーによる「ピークシフト機能」

ThinkPadの電源管理ソフトである省電力マネージャーには「ピークシフト機能」が付いています。これを使うと、ACアダプターを差したままでも、予め設定した時間が来ると自動的にバッテリ駆動に切り替え、その時間が過ぎるとまた自動的にAC駆動に戻す(バッテリは充電される)ことが可能になります。これにより、その時間の間の消費電力を減らし、ピークを緩和することができます。

2. 前提

省電力マネージャーにピークシフト機能が付いたのは、今年2月にリリースされた以下のバージョンから。何というタイミング!
  • Windows Vista / 7用: Ver.3.40(最新はVer.3.45)
  • Windows XP用: Ver.1.90(最新はVer.1.95)
このバージョンでサポートされているのは、大体2005年頃に発売された機種~現行機種です。2桁の世代では以下の機種です。
  • Xシリーズ: X32, X40, X41, X41 Tablet, X60, X60s, X60 Tablet, X61, X61s, X61 Tablet
  • Tシリーズ: T43, T43p, T60, T60p, T61, T61p
  • Rシリーズ: R51e, R52, R60, R60e, R61, R61e
  • Zシリーズ: Z60m, Z60t, Z61e, Z61m, Z61p, Z61t
  • Gシリーズ: G50
ただし、これら全てで「ピークシフト機能」が正しく動作するかは分かりません(Ver.3.45のリリースレターを見る限り、X120eでは動作しないことになっているようですが)。

自分の手許では以下の環境で動作を確認しました。ただし、なぜか新しいVer.3.45とVer.1.95では「ピークシフト機能」が表示されなかったので、古いVer.3.40とVer.1.90を使用しています。
  • Ver.3.40(Windows Vista / 7用):
    • X61s上のWindows 7 64bit 無印/SP1
    • X60s上のWindows 7 32bit SP1
  • Ver.1.90(Windows XP用):
    • X60s上のXP 32bit SP3
なお、これらのダウンロードリンクは既に新しいバージョンに更新され、消えてますが、サーバー上には残っているのでダウンロードはできます(3/19現在)。
[追記]

対応機種については、その後の展開があったので、こちらをご覧ください。

3. 設定方法

以下はThinkPad X61s上のWindows 7でVer.3.40の場合ですが、XP上でも基本的に同じです。
  1. 省電力マネージャーを開いて「ビューの切替」で「アドバンス」モードにする。上のタブから「電源スケジュール」を選び、「新規」のボタンを押す。

  2. 「スケジュールを編集」のウインドウが開くので、各項目を設定する。

    1. 名前は適当で可。
    2. 「処置」はプルダウンリストから「ピークシフト機能」を選ぶ。
    3. 実行間隔はとりあえず「毎日」にチェック。週末などは逼迫しないようなら、「毎週」にして右の「日時」から実行する曜日を指定するのもアリかもしれない。
    4. 有効期間の開始の日は、自動的に今日の日付が入る。なお、数字の右にある上下のカーソルがうまく働かないときには、数字をハイライトにして直接打ち込めばいい(以下同じ)。
    5. 有効期間の終了の日は、とりあえず4月一杯にするなど。今後の状況を見て判断。
    6. バッテリ駆動の開始時間は、18~19時がピークと言われているので、それをコアタイムにしてバッテリの持続時間を考えて判断すればいいと思う。このX61sは大容量バッテリを付けていて4時間強は持つので、17~21時の4時間としている。
    7. バッテリ消費(=バッテリ駆動)の終了時間。
    8. 充電禁止の終了時間は、バッテリ駆動の終了時間に合わせればいい。と同じか、それ以降にすればいい。この時間から通常のAC駆動の電力+バッテリ充電用の電力を消費するようになるので、この終了時間はより後ろにずらしてもいいかもしれない。なるべく後ろにずらし、電力需要の落ちる時間帯にした方がいい。とりあえず22時に変えた。
    9. バッテリ駆動の開始時間になる前にメッセージ(下記)を出すようにできる。とりあえず10分前にした。

    設定後、下の「OK」を押して保存。

  3. 「電源スケジュール」に戻ったところ。設定した時間などを確認して、下の「適用」を押す。

  4. これで、指定した開始時間の10分前になるとメッセージが出て、カウントダウンが始まる(上記の設定で出ないようにすることも可)。

  5. 開始時間になるとメッセージが変わる。

    バッテリ駆動中はタスクバーにあるアイコンが変わる。これは開始前。

    開始すると、コンセントのアイコンが緑になる。

  6. 終了時間になるとAC駆動に戻る。
[修正]

バッテリ充電が始まると電力消費が跳ね上がることが分かったので、充電禁止の終了時間はなるべく後ろにずらした方がいいと変えました。

4. その他
  • このピークシフト機能による消費電力の低減は、所詮、暖房器具などとは比較にならないので(ThinkPadのACアダプターはほとんどが100W以下)、そちらの対策を取った上での話です。


  • 別にこの機能を使わなくても、手動で電源コードを抜けば同じことですが、自動化して手のかからないようにした方が、負担感も少なくなって、より多くの人にしてもらいやすくなると思います。

  • そもそもピーク時にPCを使わなければいいという意見もあると思いますが、なるべく両立できるようにした方が、負担感も少なくなって(以下同文)。

  • ピーク時に限らない節電の観点からは、省電力マネージャーの設定でCPUの最高速度を落とすなどすると効果的です。このX61sでは「最低速」にしていますが、日常的な使用で遅いと感じることはまずありません。ついでに、自分はNASのない生活に戻りました。
参考までに、ピークシフト機能は2002年頃から企業向けに提供されてきたものです(今年になって省電力マネージャーに入るまでの経緯は知りませんが)。

[参考]
Lenovo環境トピックス
PC Watch: 元麻布春男の週刊PCホットライン: パソコン電源もオフピーク。IBMの新しい電源制御プロジェクト
PC Watch: 元麻布春男の週刊PCホットライン: 深夜電力で充電できるように進化したピークシフト

同様のピークシフト機能は東芝のノートPCにもあるようなので、Dynabookユーザーの方々は試されてはどうでしょうか。

[追記]

ピークシフト機能による効果を試算してみました。ただし、荒い仮定による計算なので、その点はご留意ください。
  1. まず日本の国内PC市場へのLenovoの出荷台数は、IDCの発表(2010年国内クライアントPC市場実績値を発表)によれば2010年は99.1万台、2009年は61.0万台です。

    2008年以前のデータはありませんが、この2年間に出荷されたものならほとんどが現役だと思いますので、この合計160.1万台を計算のベースにします。なお、この中にはデスクトップ機や、Lenovo Gシリーズ、IdeaPadも入っているはずですが、内訳が分からないので措いておきます。

  2. このうちの何台が東京電力と東北電力の管轄地域で稼働しているかですが、2010年の国勢調査の速報値から計算すると、東京電力の地域(静岡県は富士市以東とした)の人口が43,797,046人、東北電力の地域の人口が11,710,010人で、この合計55,507,056人は全人口の43.3%に当たります。

    乱暴ですが、ThinkPadの地域ごとの稼働台数もこの人口比に従っているとすれば、1,601,000×0.433=693,233(台)が東京電力と東北電力の地域に存在することになります。

  3. ThinkPadの主力は数の上では基本的に据え置きのTシリーズやRシリーズだと思いますが、このACアダプターの容量90Wを基準とすれば、消費電力の合計は693,233×90=62,390,970(W)≒6.2(万kW)となります。
さて、この数字について、最大値詐欺(まず起こらない極端な最大値だけ出して大げさに見せる)とならないようプラス要因とマイナス要因を考えると、まずプラス要因としては、
  • 2005~2008年の4年間に出荷されたThinkPadも計算に入れれば、その相当数は既に現役でないとしても、かなり増える可能性がある。
次にマイナス要因としては、
  • 出荷台数にThinkPad以外がどれだけ入っているか分からない。
  • ThinkPadは企業ユーザーが多いと言われるが、夕方のピーク時は元から就業時間外で稼働してないものが多いかもしれない。一方、これぐらいの時間なら平気で仕事をしていることも……。
  • ACアダプターの容量一杯を常に消費しているわけではなく、通常時はもっと低い。
これらを考え合わせると、まあ当たらずとも遠からずというぐらいの数字ではないかと思います。

いずれにせよ、6.2万kWというのは、電力の不足分として取り上げられる数字に比べれば小さなものですが、ピークシフト機能を使うことで大きなデメリットがあるわけでもないので、自分としてはやる価値はあると考えています。

(このエントリには補足があります)

ReadyNAS的クラウド

これをクラウドというのかよく知らないが、Pogoplugがパーソナルクラウドとして売り出していて、それと基本的に同じ機能なので。要はLAN内のNASに外のインターネットから簡単にアクセスできる機能だが、ReadyNASではReadyNAS Remoteがそれに当たる。

これ自体はDuoでも使えるが、非力なDuoではやる気にならなかった。Ultra 2では初めからAdd-onに入っている。

(このエントリは一続きのエントリの4/5)

5.1. 手順

ReadyNAS Remoteの準備は簡単。ネットワークに関する設定は不要。
  1. クライアントソフトをNetgearからダウンロードして、クライアントPCにインストール。そのまま初回起動時にアカウント登録をする。

  2. FrontviewのサービスからReadyNAS Remoteを有効にする。その管理画面を開き、登録したアカウントのメールアドレスで検索して、出てきたら接続を許可する方に移して保存する。これで準備完了。
接続するときは、
  1. PCの方でReadyNAS Remoteを起動するか、既に起動していればタスクトレイに出るアイコンを右クリックして「Log In」を選ぶと、(ReadyNAS Remoteの管理サーバーに)ログインしたと表示が出る。続けて、自動的に自分のReadyNASのホスト名が出てオンラインになったと表示されれば、接続完了。

  2. 同じように「Connect to ReadyNAS...」を選ぶと、エクスプローラにReadyNAS Remoteのアイコンが出現するので、これを開けば共有フォルダにアクセスできる。後は普通のエクスプローラと同じ。
5.2. 接続経路

速度や安定性を考えると接続経路がどうなっているかが気になるが、
  • 接続したときに表示されるIPアドレスを調べたところ、
    • whoisしてみると、クライアントPC、ReadyNASともにアメリカのアドレスになっていた。
    • tracertなどをしてみると、このアドレスは(見かけ上は)どこかを中継しているわけではなく、それぞれが直接持っている形になっていた。
    • Microsoft Network Monitorで観察すると、クライアントPCとReadyNASの間の通信はこのアドレス間でSMBなどのプロトコルによって行われていた。
    • tracertしてみると、この通信は(見かけ上は)直接行われていた(ホップ数は1)。

  • ReadyNAS Remoteを有効にした状態のReadyNASにログインしてnetstatしたところ、外のIPアドレス(複数)と繋がっていた。

    このアドレスをwhoisしてみると、アメリカの会社になっていた。試しにこのアドレスにブラウザでアクセスすると、繋がったのはReadyNAS Remoteのクライアントソフトから「View Profile」を選んだときと同じページだった。

    ということで、このIPアドレスがReadyNAS Remoteの管理サーバーであることが確定。

  • クライアントPCを持ち出して外のインターネットから接続しているとき、インターネット接続状態が悪くてサーバーとの接続が切れると、ReadyNASとの通信も止まる。
ということから考えるに、ReadyNAS RemoteではクライアントPCとReadyNASを共に管理サーバーに接続させた状態で、それぞれに仮想のIPアドレスを割り当て、その間を管理サーバーが中継しているのではないかと思う。

5.3. 速度

前提として、ReadyNASのある自宅のLAN(eAccessのADSL接続)からSpeedtest.netでアメリカ西海岸のサンノゼと東海岸のボストンとの速度を計ると、こんな感じ。

まあ速くはない。とくに上り側は。

E-Mobile

外でのモバイル用には基本的にE-Mobileを使っているが、アダプターが古いこともあって(D01NX)、基本的に速くはない。

このアダプターでE-Mobileに接続し、ブラウザでウェブを見るぐらいなら何とかという状態で試したところ、ReadyNAS Remoteの管理サーバーとの接続がぷちぷち切れて使い物にならなかった。

違う場所からE-Mobileの接続が比較的安定している状態で、まずE-Mobile自体の速度を計ると、

この状態でReadyNAS Remotoに接続し、エクスプローラでファイルを転送中に「詳細」を開いてスピードを読むと、大体こんなもの。
  • ReadyNAS --> クライアントPC: 100KB/s前後
  • クライアントPC --> ReadyNAS: 40KB/s前後
決して速くはないが、数MBのファイルの出し入れ程度なら、少し待たされるが使えないこともない。ただし、通信がReadyNAS Remoteで占有されてしまうらしく、同時にブラウザでウェブを見たりするのは難しかった。

Freespot

比較のため、公衆無線LANではどうかということで、Freespotの使える店に行ってみた。

そこでの無線LANの速度を計ると、上り側が割と速かった。

この状態で同じくエクスプローラで転送してみると、
  • ReadyNAS --> クライアントPC: 120KB/s前後
  • クライアントPC --> ReadyNAS: 800KB/s前後
ReadyNASからのリードはあまり違わないが、ライトは格段に速い。その分、ストレスなくファイルの出し入れができた。

ということで、ReadyNASからのリードはたぶん自宅のLANの上り速度がボトルネックになっていると思う。一方、ReadyNASへのライトはクライアントPCからの上り速度がボトルネックになっていることが分かる。したがって、この両方の速度がもっと速ければ、ReadyNAS Remoteの速度も上がる可能性が高いと思う。

5.4. まとめ

ReadyNAS Remoteは(インターネット接続環境がよければ)十分使える。Pogoplugにあるような便利機能も、スマートフォン用のクライアントソフトもないが、追加投資なしで使えるNASの機能としては、まあいいかなと。

最後にReadyNASの回復に関することを。

[追記]

ReadyNAS RemoteのAndroid用アプリが出てた(ReadyNAS Remote)。

2011/03/12

AtomなReadyNASの動作音

静音性は自分にとって重要な要素で、NASは稼働しっぱなしということが多いだけに問題になり得るところだが、Ultra 2の動作音はどうか。

(このエントリは一続きのエントリの3/5)

3.1. ファンの回転音

一番気がかりだったファンの回転音については、しばらく使った範囲ではあまり気にならない。というより、Ultra 2を自分から直線距離で2mぐらいの場所に置いているが、稼働中ということを音で意識させられることがあまりない(アクセス中のHDDが出す音は除く)。

これは第一に、冬場なので当てにはならないが、Ultra 2では平常時のファンの回転数が割と低いことがある。

起動時の高速回転は別として、平常時で(スピンダウンはしていない)800から900RPM前後、スピンダウン時には600RPMぐらいまで下がることもあった。負荷をかけていると1000RPMを越えることもあるが、そんなに長くは続かない。

音の感じ方は環境と、何より個人差によるところが大きいが、ファンの風切り音は一般的には1000RPM以下になると少し離れれば聞こえないレベルになる。その意味では、Ultra 2のファンは聞こえないレベルにある時間が長い。

第二に、回転音が低くてもジジジ……と耳障りな軸音を発するファンがあり、まさにDuoの標準ファンがそうだったが、そういう軸音がUltra 2の標準ファン(Delta AFB0912HH)にはない。

結果的に、現在のところ、標準ファンでもまあ十分な静音性が確保されていて、その点は思い切って92mmファンにしたNetgearの設計の勝利という気がする。実は交換用にと買っておいたファンがあるのだが、出番はないかもしれない。

勿論、ファンの回転数は気温やかかる負荷によって変わってくると思うので、夏場を超えるまでは速断できない。ただ、もし回転数が高止まりするようになっても、Ultra 2ならまだ打つ手がある。つまり、設置場所を遠ざけてしまえばいい。

3.2. 遠隔から電源オン/オフ

Ultra 2はWake On LAN(WOL)に対応しているので、完全な遠隔操作が可能になった。そのため、普段は全く姿が見えないような場所に隔離しても、全ての操作が行える。

といっても、ReadyNASのRAIDarにはQNAPの管理ソフトなどのように電源オン/オフする機能はないので、自分で準備する必要があるが。

電源オン

普通にWOLのMagic Packetを送ればいい。例えばMagicSendはコマンドラインで操作できるので、MagicSendと同じフォルダに以下のバッチファイルを入れておく。
magicsend [ReadyNASのMACアドレス]

これにショートカットを張っておけば、そこから一発で起動できる。なお、WOLに対応しているのはLAN1のコネクタの方だけなので注意。

電源オフ

Frontviewに入らなくてもできる方法をNetgearの人が紹介している(Newbie question: Remote Shutdown...)。なお、これはSparcのDuoでも可能なもの。
  1. 以下の3つをダウンロードする。

    要はCurlを使いたいわけだが、これはOpenSSL上で動き、OpenSSLにはVisual C++ 2008 Redistributableが必要というわけ。全てWin32版であることに注意。Visual C++ 2008 Redistributableは既に入っていれば不要だが、OSが64bitだと入っているのはx64の方だったりするのが落とし穴。

  2. Visual C++ 2008 Redistributableをインストールの後、OpenSSLをインストールする。Curlを展開。

  3. Netgearの人が示したスクリプトにならってバッチファイルを作る。
    curl -u admin:[管理者パスワード] -k -d command=poweroff -d shutdown_option=1 -d OPERATION=set -d PAGE=System -d OUTER_TAB=tab_shutdown -d INNER_TAB=none https://[ReadyNASのIPアドレス]/get_handler

    adminの後ろは自分の設定した管理者パスワードにする。IPアドレスは自分のReadyNASのIPアドレスにする。なお、これはホスト名でも可で、DHCPにしている場合はその方が便利。

  4. このバッチファイルをCurlと同じフォルダに置き、ショートカットを張っておく。
両方のショートカットをスタートメニューに入れると、こんな感じ。アイコンはNetgearのサイトのfaviconを拝借。丁度形がDuoというか、Ultra 2と同じだし。

3.3. HDDトレイ

HDDの音については、それ単体で対処しないと仕方ない。初めに3.5インチの7K3000×2でしばらく稼働させてみたが、やはり2.5インチには比べるべくもないので、Duoに引き続いて2.5インチで行くことにした。

NetgearのHDDトレイにもQNAPのHDDトレイのように2.5インチ用のネジ穴があれば簡単なのだが、それはない。かつ、穴を開けるような気をなくさせる、ごついスチール製なので(穴の位置も合わない)、以前に目を付けていたIcy Dockのアダプターを使ってみる。ちなみに、Awowoから類似品が出ているが、NetgearのHDDトレイで必要になる底面のネジ穴が省かれているので(妙なところで手を抜く)、使えない。

Duoの旧型トレイにMB882SP-1S-1Bを(左側)、Ultra 2の新型トレイにMB982IP-1Sを(右側)取り付けた状態。
ReadyNAS Ultra 2: HDD trayReadyNAS Ultra 2: HDD trayReadyNAS Ultra 2: HDD tray

実用上はどちらでもいいのだが、金属製(たぶんスチール)のMB982IP-1Sはこれまたごつい作りで、動作もスムーズ。ただ、最初に使い始めたとき、中のHDDが認識されないことがあって焦った。原因は不明だが、端子をよく掃除した後は、それが効いたのかどうか分からないが問題はなくなった。

次にReadyNAS Remoteについて。

(Ultra 2とDuoの消費電力について計測した結果をこちらで)

2011/03/05

AtomなReadyNASの速度を計る

ReadyNAS Ultra 2の速度については、CPUのAtom 1.8GHzは現時点のAtom機としては最高クロックで、ソフトウェアRAIDもミラーリングだけだから負荷は低そうだし、同時に色々とやらせるのでもなければSingle coreもDual coreも変わらないだろうから、ReadyNASの中で速度に劣るということはないと思う。

そのUltra 2がどれぐらいの速度を示すのか。

(このエントリは一続きのエントリの2/5)

2.0. 環境

最初に、計測環境は以下のとおり。
  • 使用するHDDの素の性能(PCに内蔵した場合、シーケンシャルアクセス)は以下のようなもの。

  • ディスク構成は全て同じHDD×2によるX-RAIDまたはX-RAID2。Flex-RAIDにすれば何か変わるかもしれないが、ReadyNASのメリットを半分捨てるようなものだと思うので。
  • ネットワークは全てハブ(BuffaloのLSW-GT-5W)を介しての接続。前に見たとおり、このハブがボトルネックになることはないと思う。
  • Ultra 2のRAIDiatorは4.2.15。Duoの方は4.1.7で、メモリは1GBに換装してある。
2.1. ネットワーク速度

Windowsで普通にCIFSで共有したときの速度はどうか。

改めてDuoについて

先に、改めてReadyNAS Duoの速度について幾つか確認しておく。というのも、クライアントPCにWindows 7を使うようになって結構変化があったので。

第一にジャンボフレームについて、クライアントPCのThinkPad X61sのネットワークアダプター(Intel 82566MM Gigabit Network Connection)にはジャンボフレームの設定がないが、ReadyNAS側のジャンボフレームの設定を変えるとどうなるか。

まずX61s上のXP SP3からCrystalDiskMark(3.0.1)で計測したのが以下。HDDは7K2000と5400.5の状態。

7K3000ではジャンボフレームはほとんど関係ないが、5400.5ではジャンボフレームを有効にするとシーケンシャルアクセス、とくにライトが激しく落ちる。

次に同じくX61s上のWindows 7 64bitから。

傾向はXPと同じで、5400.5ではジャンボフレームを有効にすると速度が激しく落ちる。これは5K500.Bの状態でも全く同じだった。ということを踏まえて、以下では基本的に無効にしている。

ジャンボフレームが無効のときで比べると、Windows 7の方がシーケンシャルリードで10MB/sぐらい速い。

そこで第二に、Windows 7とXPでテストサイズを100MBと1000MBにした場合を、それぞれ7K3000と5400.5の状態で比べる。

全体的にシーケンシャルアクセスはWindows 7の方が速いことが分かる。

第三にボリューム使用量について、使用量によって速度に変化があるか。言い換えれば、ボリュームが埋まっていくと速度が遅くなったりするか。ということで、使用量を0%、33%、66%の三段階に調整した上で、Windows 7から7K3000と5K500.Bの状態で確認する。なお、5K500.Bは1年ぐらい常用していた状態で、細かいファイルが大量にあるので、フラグメンテーションが進んでいると思う。

使用量によってほとんど差は出なかった。

第四に、Windows 7からでテストサイズが1000MBの場合の、3種類のHDDの結果を並べると、

HDDによって見るべき差ははないことが分かる。

まとめると、
  • ReadyNAS側でジャンボフレームを有効にしても、(X61sからは)速度が上がらないばかりか落ちることがある。これはジャンボフレームの設定が合ってないときにはあり得ることだが。
  • Windows 7にしただけでXPより速くなる。
  • HDDによって、または、ボリューム使用量によって、速度はほとんど変わらない。したがって、こういうことを気にかけても意味はない。
Ultra 2の場合

さて、Ultra 2であるが、初っ端にいきなり問題にぶつかった。

デフォルトの状態ではリードの速度がまるで出ない。初期不良かと思ったが、調べてみると、デフォルトで有効になっているLowLatencyという機能をOFFにすることが有効だった(CIFSでのNAS→PCのコピーが異常に遅い)。以下はこのLowLatencyのON/OFFによる違い。

LowLatencyがOFFのときが正常だと思うので、以下は全てこの設定で行く。

気を取り直して、第一にジャンボフレームについて確認しておく。Windows 7から7K3000と5400.5の状態。

ジャンボフレームが有効でも5400.5はさほど変わらないが、7K3000の方はライトが落ちている。いずれにせよ、ジャンボフレームでいいことはないので、無効で行くことにする。

第二に、ボリューム使用量による差をDuoと同じように見てみる。7K3000の状態。

やはり違いは出ない。

第三に、3種類のHDDの結果を並べると、

よく分からないことになった。7K3000が一番速いのは順当なのでそれはいいとして、5400.5もリードではそれほど変わらない。これらに対して、5K500.Bは大きく落ちている。確かに5K500.Bは1年ぐらい使用歴があるが、それはその前に使っていた5400.5も同じだったりする。いずれにせよ、素の性能差ほどの違いがあるわけでも、素の性能が素直に出てくるわけでもない。

一応、Duoとの比較では、全体的にリードもさることながら、ライトが大きく上昇していることが分かる。

Iometer

別のやり方として、Netgearが性能の示標に使っているIometerではどうなるか。設定ファイルのiometer.icfはNetgearのもの(How to optimize the ReadyNAS performance)を利用し、テストサイズはUltra 2の製品紹介ページと同じ9GBにして計測してみた。

このIometerによる計測はこれまでやったことがなかったが、何これ? という結果。確かにライトではUltra 2はDuoより10MB/sぐらい上がっているが、リードではDuoの時点でGbEの実用上の上限に近い100MB/sに達している。結果として、Ultra 2でさほど上がっているわけでもない。また、HDDによる差もあまり出てない。

性能の示標としては継続性が大事なのは分かるが、このIometerの計測方法ではGbEの上限に引っ掛かってしまって、本当の差が(あるとして)見えなくなっている可能性がある。これを今時の示標に使うのはどうかと思う。

Acronis True Image

また別のやり方として、 Acronis True Image 2010 Homeによるバックアップ/リカバリーの時間を計測してみた。USBメモリからブートし、X61s上のX25-Mに対して、ReadyNASへ直接バックアップ/ReadyNASから直接リカバリーを行う。対象はWindows 7のシステム兼ブートパーティションで、サイズは18.4GiB、使用領域は13.2GiB、ファイル数は73,836。
HDDReadyNASへの
バックアップ
ReadyNASからの
リカバリー
処理時間
(sec)
処理速度
(MB/s)
処理時間
(sec)
処理速度
(MB/s)
Ultra 2
7K300060723.5134541.36
5400.560023.7834940.89
Duo
7K300086016.5966621.43
5400.586316.5465521.79

それぞれの処理中にずっとReadyNASにアクセスしているわけではないが、処理時間ではUltra 2はDuoよりバックアップで約30%、リカバリーで約50%の短縮を見せている。一方、HDDによる差はほとんどない。

まとめ

ネットワーク速度は突き詰めると深いし、手間もかかるのでこれぐらいに留めるが、
  • Ultra 2でシーケンシャルリードはDuoから最大1.5倍(HDDによる)、ライトは2倍に上がった。
  • 内蔵するHDDによる差はそれほどない。HDDの速度がそのままReadyNASの速度に反映されるわけでもないので、とくに気にする必要はないと思う。
  • ボリューム使用量による速度への影響はほとんどない。
2.2. USB3.0ポートの速度

NAS上のデータのバックアップもやり方は色々あるが、外付けHDDを繋げてさくさくコピーできれば、それが一番シンプルで楽だと思う。が、DuoのUSB2.0ポートは遅すぎて、バックアップに使うにはあまり実用的でなかった。

その点、Ultra 2は前面のUSBポートがUSB3.0になっていて、普通のPCでのUSB3.0ポートの例を見るとほぼHDDの素の速度で接続できるようなので、Ultra 2でもそういう速度が出ればと結構期待していた。

とりあえず、USB HDDとして、USB3.0対応のシンプルBOX2.5(CSS25U3BL)に5K500.Bの120GBモデルを入れ、X61sからNTFSのパーティションを作成の上、Ultra 2とDuoにそれぞれ接続し、X61sからCIFSで共有してCrystalDiskMarkで計測した。テストサイズは100MBと1000MBで、同時にReadyNAS側の「高速USBディスクの書込み」の設定の違いも確認してみる。

まず「高速USBディスクの書込み」を有効にすることによる速度向上は見られない。となれば、わざわざ有効にする必然性がなくなる。

問題は、Duoのライトの壊滅的な遅さは放っといて、Ultra 2のライトも微妙なこと。これぐらいの速度ならUSB2.0でも出ないことはない。

確認として、CSS25U3BLに7K3000を繋げた場合と、Green HouseのUSB3.0対応のGH-HDC3035AKに5K500.Bを入れた場合、それからUSB2.0のLaCie little diskの500GBモデルも計測してみる。テストサイズは1000MBで(100MBではLaCie little diskで異常に高い値が出る)、「高速USBディスクの書込み」は無効。

USB3.0の3つの場合は、どれも大体同じ結果が出ている。リードの方はさすがUSB2.0ではあり得ない速度だが、ライトの方はLaCie little diskとほとんど変わらない。

ただ、これはあくまでネットワークを介してX61sから見たときの話なので、Ultra 2との間だけならどうか、というのが次。

バックアップジョブ

ReadyNASではFrontviewから設定するバックアップジョブで直接ファイルの転送ができる。これを使ってReadyNAS内のフォルダとUSB HDDの間でファイルを転送するバックアップジョブを作成し、この所要時間をログで見てみる。

対象はAcronis True Imageのイメージファイル計31.5GiB。USB HDDはCSS25U3BLに5K500.Bを入れて、ファイルシステムをそれぞれExt3とNTFSにした場合で、比較のためLaCie little diskも加えた。
速度(MB/s)
CSS25U3BL
+ 5K500.B
LaCie
litte disk
高速USBディスクの書込み有効無効
USB HDDのファイルシステムExt3 NTFS
Ultra 2 --> USB HDD13.7513.8818.2717.04
USB HDD --> Ultra 249.8149.8946.4627.08

左側から順に行ったが、「高速USBディスクの書込み」はやはり意味がなかった。また、Ext3よりNTFSの方がリードは速いことが分かる。

USB HDDからUltra 2へのリードはUSB2.0を超えているが、Ultra 2からUSB HDDへのライトはLaCie little diskと大差なかった。つまり、X61sからCrystalDiskMarkで計ったときと傾向は同じ。

まとめ

結局、Ultra 2のUSB3.0ポートは、リードではともかく、ライトではUSB2.0並みというのが現段階での結論(Slow USB3 Backup - No faster than USB2)。勿論、それでもDuoのUSB2.0ポートよりは、はるかにましだが。

また、単純に速度の問題だけでなく、USB HDDの認識などにも変なところがあるので(Ultra 2におけるUSB3.0の動作)、根本的にRAIDiatorのUSB3.0関連部分がまだ熟成されてない様子。

いずれも今後のアップデートに期待。

[追記]

RAIDiatorを4.2.19にアップデートして、どうなったかを確認してみた。まずは速度。CSS25U3BLに5K500.Bを入れてX61sから見た場合で、以下のとおり。

とくに変化なし。いい加減速度については諦めが入ってきた。ちなみに、X61sのUSB2.0ポートに直接接続した場合は以下のとおり。

一応、Ultra 2経由でもUSB3.0で接続した方が、直接USB2.0で接続するよりかは速い。

次に認識などについて、4.2.15時点であった問題は以下の2点。
  1. CSS25U3BLを挿した状態でUltra 2をブートすると、CSS25U3BLが認識されない。
  2. バックアップボタンの長押しでCSS25U3BLがアンマウントされない。
このうち2.は4.2.16で解決していたが、1.はまだだった。それが4.2.19では解決していた。よって、この問題は終了。

なお、自分が気づいた若干の注意点。
  • アンマウントするときは、バックアップボタンをその上のLEDが消えるまで押し続けた方がよい。アンマウントの所要時間は一定していないので、中途半端に指を離すとUSB HDDへのバックアップ動作が始まってしまう。

  • USB HDDには「usb_hdd_6」など番号の付いたフォルダー名が割り当てられるが、この番号はHDDがフォーマットされると変わる(ファイルシステムなどが同じでも)。したがって、ネットワークドライブに割り当てている場合は、フォーマットの度に割り当て直す必要がある。

次に動作音について。