2011/02/26

AtomなコンパクトReadyNASを見る

何事も必要以上に大仰になるのが嫌いで、その意味でコンパクトなReadyNAS Duoというパッケージはよかったのだが、今となっては遅いNASで、自分のGbE環境のボトルネックになっていた

速いNASが続々と登場してくる中で、どうしたものかと時々考えていたら、Duoの後継に当たるx86のAtom機であるReadyNAS Ultra 2が出ていたので、購入(ディスクレスのRNDU2000-100JPS)。Ultra 2(Single core)には上位版のUltra 2 Plus(Dual core)も存在するが、とくに重い使い方をするわけでもないので、Ultra 2でいいかなと。

(このエントリは一続きのエントリの1/5)

1.1. 外観


サイズ的にはDuo(左側)とUltra 2(右側)は変わらない。
ReadyNAS Ultra 2

現物を見るまで分からなかったのは、その色。Duoと並んだ写真がなかったのでよく分からなかったが、Duoがメタリックな黒なのに対して、Ultra 2はメタリックなダークグレー。光の具合によって見え方がかなり変わるので、写真に撮るには少し厄介。ちなみに、Ultra 2 Plusは黒のようなので、それとの差別化かもしれない。

色以外の違いは(後面を除く)、
  • 側面の穴の位置が変わって一箇所になっている。
  • 前面のUSBコネクタがUSB3.0になって中が青くなっている。
これが、Netgearの製品紹介ページやFrontviewでの画像もDuoの流用で、自分が見つけたまともな画像はnewegg(ReadyNAS Ultra 2, ReadyNAS Ultra 2 Plus)だけというのは何だかな。

1.2. 内部を見る


当然のごとく、側面を外して内部をしげしげと眺めてみる。
ReadyNAS Ultra 2: Inside

HDDベイの壁の向こう、右下のヒートシンクの下にCPUがある。このヒートシンクは40×40×15mmぐらいの大きさで、前方方向にはPCB上に突き出した部品もなく、開けている。PCBにAMIBIOSのシールが貼ってあるところは、やはりx86という感じ。
ReadyNAS Ultra 2: Inside

反対側にはDuoと同じくSO-DIMMソケットがある。PCBはファンを避けて切り欠いた形状になっている。

HDDベイは後面のファンまで、とても吹き抜けのよさそうな構造。ベイの上下のレールはDuoではプラスチックだったが、Ultra 2では全てスチール製。
ReadyNAS Ultra 2: HDD bay
ReadyNAS Ultra 2: HDD bay
ReadyNAS Ultra 2: HDD bay

ファンの直径は92mm。コンパクトな筐体の横幅一杯を利用して収められている。
ReadyNAS Ultra 2: Fan

ファンは3pinで接続。フレームはSATAコネクタの部分が切り欠かれていて、嵌まり具合を横から確認できる。
ReadyNAS Ultra 2: Fan

全体の印象として、
  • 筐体は、前面のベゼルを除いて全てごついスチール製で、何でこんなにというぐらい頑丈。さらに3.5インチHDD×2を入れてその質量も加われば、殺人事件の凶器として十分以上かもしれない。

  • Duoでファンの騒音が問題になった反省か、Atomの発熱を考慮してか、筐体のサイズが許す最大直径のファンを積み、空流もよさげな構造になっている。その分、冷却、ひいては動作音の面で期待が持てる。

1.3. 部品も見る


Ultra 2は筐体内の見通しがいいので、個々の部品もチェック。
ReadyNAS Ultra 2: Chip
ReadyNAS Ultra 2: ChipReadyNAS Ultra 2: Chip
ReadyNAS Ultra 2: ChipReadyNAS Ultra 2: Chip
ReadyNAS Ultra 2: Memory

見えてないものも含めてまとめると、以下のとおり。
CPUIntelAtom D425 (1.8GHz, Single core)
チップセットIntelNM10 Express (CG82MN10)
EthernetコントローラMarvellYukon 88E8057 PCI-E Gigabit
Ethernet Controller
USB3.0ホストコントローラNECD720200F1
NAND FlashSamsungK9F1G08U0C-PCB0 (128MB)
NAND FlashコントローラSilicon MotionSM321QF
ファンDeltaAFB0912HH (92×25.4mm)
メモリASintSSY3128M8-EAE1D
(DDR3-1066, 1GB)
  • CPUに関しては、dmesg.logでは以下のようになっている。
    CPU0: Intel(R) Atom(TM) CPU D425   @ 1.80GHz stepping 0a
    Booting Node   0, Processors  #1
    Brought up 2 CPUs
    Total of 2 processors activated (7199.96 BogoMIPS).
    

    2 CPUsと出るのはHyper-Threadingのためだと思う。

  • USB3.0ホストコントローラはNECの定番。

  • Silicon MotionのNAND FlashコントローラはNAND Flashの真裏にある。このコントローラとNAND Flashを組み合わせたUSBメモリの例があるので、これはオンボードにUSBメモリが載っているとの同じだと思う。ちなみに、このコントローラはUltra 4のものと同じ(NETGEAR ReadyNAS Ultra 4 Reviewed - Internal Details, Features)。

  • ファンもUltra 4のものと同じ(ReadyNAS Ultra 4 92mm Fan spec)。Operating Voltage Rangeが「5.0 to 13.8VDC」のもので、回転数は最高(だと思う)で3300RPM。
以上のとおり、ごく標準的な部品で構成されている感じで、どれかの部品がハードウェア的にネックになって問題を引き寄せるということはなさそう。あくまでハードウェア的には。

続いて速度を確認する。