2010/12/21

Nanoな無線LAN

ThinkPad X6xの右パームレストの熱問題にずっと付き合ってきたが、ようやく最終手段に訴えることにした。つまり、内蔵無線LANカードの撤去である。

1. 代替手段


熱問題に対して内蔵無線LANカードの撤去はすぐに思い付くことだが、その代替手段をどうするかで二の足を踏んでいた。
  • PCカード型の無線LANカードでは、今度は左パームレストに熱問題が発生しかねない。出っ張る部分が邪魔だし(かつては出っ張らない製品も存在したが、規格が古い)、持ち運び時に危なっかしい。かといって、運ぶ度に抜き挿しするのも面倒。
  • USB接続の無線LANアダプターでは、出っ張りが邪魔だし、(以下同文)。
が、最近はUSB接続でも非常に小さい製品が出てきている。その一つがPlanexのGW-USValue-EZで、常用しているLogicoolのNanoレシーバーと同程度なら許せるかと思って買ってみた。

右側がGW-USValue-EZ。

サイズに関しては期待以上で、Nanoレシーバーより短い。X61sに挿した状態で以下。

挿した状態でもNanoレシーバーより出っ張りは短い(厚みは少しあるが)。ということで、サイズは合格点。

2. 設定


Windows 7の場合


X61s上の64bit版、X60s上の32bit版の両方で、Access Connections(5.72)から内蔵無線LANと同じようにプロファイルの設定ができ、ネットワークへの接続/切断、電源のオン/オフも可能。有線LANに繋がった状態からLANケーブルを抜けばAccess Connectionsの機能で自動的に電源オンになって無線LANに繋がり、LANケーブルを挿せば自動的に電源オフになる。無問題。

Windows XP SP3の場合


Access Connections(5.72)内だけでプロファイルの設定はできず、暗号化はOSの機能で設定することになるが、設定ができればAccess Connectionsからネットワークへの接続/切断は可能。ただし、電源のオン/オフはできない。

Planexのユーティリティには電源のオン/オフの機能はないが、内蔵チップはドライバーのファイルを見るとRealtekのRTL8192CUらしいので、Realtekのユーティリティを使うと、電源のオン/オフと同時にネットワークへの接続/切断ができた。
  1. デバイスマネージャで「詳細」を見ると、VID(ベンダーID)とPID(プロダクトID)が分かる。

  2. RealtekのサイトからRTL8192CU用のドライバーとユーティリティのセットをダウンロードし、展開する。このインストーラの設定ファイルであるIsConfig.iniを開き、
    [92CU_Utility]
    TitleName=REALTEK 11n USB Wireless LAN Software
    ProductGUID=9C049499-055C-4a0c-A916-1D12314F45EB
    DeviceID=VID_0BDA&PID_8192;VID_0BDA&PID_8176;VID_0BDA&PID_8177;VID_0BDA&PID_8178;VID_0BDA&PID_817D;

    のDeviceIDの部分に1.で見たVIDとPIDを追加する。
    [92CU_Utility]
    TitleName=REALTEK 11n USB Wireless LAN Software
    ProductGUID=9C049499-055C-4a0c-A916-1D12314F45EB
    DeviceID=VID_2019&PID_ED17;VID_0BDA&PID_8192;VID_0BDA&PID_8176;VID_0BDA&PID_8177;VID_0BDA&PID_8178;VID_0BDA&PID_817D;

    これでインストール。

  3. インストールされた「REALTEK 11n USB Wireless LAN Utility」を起動し、「プロファイル」でネットワークの暗号化などを設定する。

    これで、タスクトレイからこのユーティリティを呼び出し、「無線オフ」のチェックを外せば電源オンになって無線LANに繋がり、チェックを入れれば電源オフになって無線LANから切ることができるようになる。
正直、XPでのやり方はスマートではないが、Windows 7を主用しつつ、時々XPを使うぐらいなら、これで十分。

[追記]

実際に載っているチップはRTL8188CUSとのこと

3. 結果


内蔵無線LANカードを(ついでに一度も使ったことのない内蔵モデムカードも)撤去したが、熱はまだ感じる。これ以上はどうしようもないが。

GW-USValue-EZに機能的な不満はないが、見過ごせない問題もある。それは、

青色LEDが眩しく点滅してうるさい!


外装のプラスチック自体が半透明になっているので、LEDの光が盛大に目に入ってくる。LEDが青色だと格好よく見えたのも昔のことで、その無駄に強い光に辟易するようになって久しいが、これは光の通る面積が広いだけに最悪。周辺機器ベンダーには眩しすぎる青色LEDはもう止めてほしい。

とりあえず黒ビニールテープで軍艦巻きにして対処した。

[追記]

ビニールテープも何なので、外側をエナメル塗料のブラックで塗ってみた。が、遮光力が低い/塗膜が弱くて剥げるという問題で断念。仕方ないので、内側からの対策を考えてみた。

USBコネクタの中を覗くと、PCBとアンテナが見える。構造としては、PCB上のパターンが直接USBの接点になっていて、そのPCBに外側の金属を嵌め、端を半透明のプラスチックで覆ったという形。問題のLEDもPCB上にある。

PCBの上には空間があるので、ここに何か入れてLEDの光を遮ればいいわけだが、白いプラ板で試したら光が透けて駄目だった。ということで、色付きの適当な材料を探したところ、出てきたのがX40の交換したキーボードベゼル。黒いプラスチックで丁度良い。

この薄い部分を約11×4mmの寸法に切り出し、当たりを調整しながら差し込んで固定。

出来映えはこんな感じ。

光は上に出てこなくなった。動作状態を確認したいときは横から見るということで。