2009/05/13

金属なUSBメモリ

USBメモリで進む容量増加/価格下落で、気が付けばOS環境そのものをUSBメモリに入れてブートしたり、バックアップ/レストアすることも普通に可能になっている。そこで手持ちのUSBメモリで試してみたが、千単位のファイル数やGB単位のデータ量となるとUSBメモリの速度の問題が馬鹿にならない。

これまでUSBメモリは速度よりコネクタが収納できるなどの機能で選んできたが、改めて速度を計測してみて、その遅さに愕然とした。

ここは速いものも持っておこうと調べてみたら、高速なUSBメモリはVistaが出た頃が旬で、その後は頭打ちどころか、SLCからMLCへの切り替えでライト速度が大きく落ちたものもあって、博打っぽいことになっているらしい。

1. 金属筐体


結局、値は張るがこれなら大丈夫だろうというのを1本と、まあ外れてもいいやというのを1本注文した。Green HouseのPicoBoostの8GB(GH-UFD8GBS)と、CFDのCUFD-Hの2GB(CUFD-H2G)だが、到着したものを見ると、別に狙ったわけではないが、両方とも筐体が一部金属になっていた。手持ちにあったSanDiskのCruzer Titaniumと並べるとこんな感じ。

左からPicoBoost、CUFD-H、Cruzer Titaniumだが、筐体の構造が全然違うのが面白い。
  • Cruzer Titaniumの金属無垢に対して、CUFD-Hは半透明のプラスチックの上下にプレス絞りのアルミ板を被せた厚みのある形、PicoBoostは側面の枠状のプラスチックを上下からアルミ板で挟んだ極薄の形をしている。

    PicoBoostの開発者はとにかく薄くしたかったのだろうと思う。CUFD-Hの開発者はプラスチックのベースのままでも高級感を出したかったのだろうが、惜しむらくはアルミ板の角の部分にプレス加工時の皺が出ていたり、本体とキャップに微妙なズレがあったりして仕上がりが今一つ。

  • 重量面では、Cruzer Titaniumが22gで一番重く、次いでCUFD-Hが14gで体積の割には軽く感じる。PicoBoostは10gで見た目相当。

  • 堅牢性では、やはりCruzer Titaniumは全くびくともせず、頭抜けていると思う(コネクタ内部が剥き出しではあるが)。CUFD-Hも厚みのある分、丈夫そうに見える。残るPicoBoostは不安を感じる程ではないが、扱いに気を付けた方が良さそうではある。

2. 速度


最初の目的の速度を、既に手持ちのものも併せてThinkPad X60sに挿した状態でCrystalDiskMark(Ver.2.2.0)で比較した。ファイルシステムはFAT32。

右から
  • IBM USB 2.0 High Speed Memory Key 128MB
  • Transcend JetFlash V30 1GB (ReadyNAS Duoの同梱品)
  • Transcend JetFlash V10 1GB
  • Sandisk Cruzer Micro 1GB
  • Sandisk Cruzer Titanium 1GB
  • CFD CUFD-H 2G
  • Kingston DataTraveler 100 4GB
  • Green House PicoBoost 8GB

(注)テストサイズを100MB、試行回数を5回に設定し、3回連続して計測した値の平均。
  • PicoBoostとCUFD-Hは期待通りの速さ。これなら最速級といえる。
  • Cruzer TitaniumとMicroは筐体の材質(Microは柔なプラスチック)以外に書き込み速度も違うのを初めて知った。TitaniumはSLCでMicroはMLCなのかもしれない。
  • このTranscend勢は遅い。価格相応か。

3. セクタ0


USBメモリのブートに関係するセクタ0だが、PicoBoost、CUFD-Hの両方とも初期状態でMBRになっており、基本パーティションが設定されていた。

ただし、PicoBoostではPeToUSBでパーティションテーブルを見ると以下のように、パーティションがActiveになってなかった(パーティションの先頭セクタもセクタ8064と、何か変)。

実際、このままAcronis True Imageのブータブルメディアビルダを実行してもブータブルにはならなかった。

一方、CUFD-Hの方では以下のように、極めて普通。パーティションがActiveで、このままブータブルにできる。

メーカーとしても、ユーザーが(それと意識しなくても)スムーズに使えるようにしておいた方がサポートが楽だと思うが。

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